Breaking Away

[一チーム(一プレイヤー)四台持ちの自転車レース。最初に各車につき、定められた移動ポイントを3つずつに割り振っておく(チーム全体で3つ、ではなく、一台につき3つ)。手番がきたら(先頭の自転車から順々に手番が来る)、割り振った3種類の移動力のうちひとつを使用。使うとその移動力はなくなるので、代わりとしてターンの終了時に、自転車の位置関係というか具体的にはスリップストリーム具合から各車に移動力が与えられ、再び次のターンには3種類(前のターンで使わなかった2つと、新たに与えられた1つ)のうち一つを選べる。レース途中のチェックポイント2箇所通過着順と最終着順から勝利点が与えられ、勝利点合計の最も高いチームの勝ち。]

上記の紹介文と、あとは具体的な位置関係→移動ポイント補充のルールだけでルール説明が終わってしまうという、非常にシンプルなルールでして、遊ぶ前はこれでいいのかちょっと不安になったりするのですが、遊んでみるとこれ以外は考えられないというくらいの奇跡的な正解。ゲームシステムそのものは1マスごとの位置関係が直で効くシビア極まりないものなのですが、自転車の動きに着目すると、スタートダッシュで仕掛けて一周持たない負け選手とか、中盤まで目立たずにいて第二チェックポイント直前で猛然と前に出てきて通過着順一位をゲットしてそのまま俺今日の仕事終わりな選手とか、がんばって最終着順で表彰台を狙おうとするんだけど残り四分の一周で力尽きてもう僕はペダル漕ぎませんあとは慣性でなんとかしてくださいな状態になってゴール直前で刺される選手とか、妙な具合でコミカルです。自転車レースってこういうものなのかもと妄想させる力にも秀でていると言えましょうか(自転車レースをよく見ているプレイヤーからは「自転車レースの再現性はかなり高い」という感想が出ていました)。

とにかく相手の足元を見て、あっちは確実にここに入ってくるからその後ろにチーム四台連なって入れるように頑張りましょう・あるいはそれができない場合に誰に犠牲になってもらうか考えたり仕方ないから思い切って先頭に出るか考えてみたり、そして各チェックポイント前でいつ飛び出せば勝利点を有効に獲得できるか(下手するとチェックポイント獲得直後に何もできなくなったり、もっと酷いとチェックポイント直前で何もできなくなったりします)、という位置関係の操作・のままならなさ・が全てのゲームでして、それを全編に渡って行い続けるので単調と言えば言えなくもないのですけれども、ゲーム時間が75分程度とちょうど良いのと、前述の通りのチェックポイント制が絶妙の効果を挙げていて各車ごとの戦略の違いを見るのが楽しいので、特にその点については問題にはならないと思います。難点といえばコンポーネントがあまりにもコメントに困るということくらいでしょうか。ルールの単純さ完成度の高さにテーマの普遍性を考えれば、インディーズで出すのではなくメジャーメーカーから出して10万部売るべきゲームなのですが、10年以上インディーズで売り続けているのは何か理由があってのことなんでしょうかね。

Breaking Away
by John Harrington
Fiendish Games, 1991
★★★★
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by Taiju_SAWADA | 2005-06-27 00:25 | 感想・紹介
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