素人の素人による素人のための2009/48/ECアンドEN71メモ(※ボードゲーム同人専用

《ディスクレーマー:本文書は素人が書いた文章であり、記載内容について何ら責任を負うものではありません。At your own riskでお読みください。いや言うまでもないとは思うんですけどね》


EUで玩具を売る際は、規制をクリアして、その証明としていろんな文書の作成と、加えて製品自体にCEマークを付与する必要がある。EUの定義ではAges 14+のマニア向けコレクターズアイテムは玩具に含まれないはずで、日本からEssenに百部限で持って行く怪しげなカードゲームなどは実態としてマニア向けコレクターズアイテム以外の何物でも無いはずなんだが、なぜか今年からドイツの官憲が点数稼ぎだかなんだか不明の理由によりこれは断固として玩具であると言い張るようになったらしく、まあ仕方ないのでCEマークを頑張ってつける必要があるのだが、百部限のものに一々検査機関なんか通してられるか自分でなんとかしたる。

という人のためのいんたーねっとりそーすへのポインタです。

このプロセスは一般に「CEマーキング」と呼ばれており、玩具に限らず、全体の流れはこんな感じになります(都立産業技術研究センターのページ)。
http://www.iri-tokyo.jp/site/mtep/ce-general.html


まず規制の根拠となる指令そのもの、2009/48/ECはこちらです。
http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:L:2009:170:0001:0037:en:PDF
ちなみに、「2009/48/EC 和訳」とかで検索すると、和訳を売ってる人もいることがわかります。

で、作らないといけないドキュメントは下記の2つ。
・自己宣言書 Declaration of Conformity
・技術文書 Technical Document
これをいつでもすぐ官憲に見せられるようにしなきゃいけないわけですね(厳密に言うと技術文書の一部はすぐじゃなくていいんですけど、まあでも、どうせDropboxあたりに入れて管理するんだし一緒でしょう)。10年間保存マストです。

自己宣言書は、私どものこの製品はEUのこの規制(2009/48/EC)、具体的にはこの文書(EN71の諸々)で書かれたていることに適合しておりますよ、という宣言ペーパーです。一枚物の紙で、書かないといけないことは決まってますが、フォーマットは定まってません。
技術文書は、その宣言の裏付けとなる内容です。内容物の詳細な説明とか製造過程の説明とかテスト内容とかそういうやつ。こっちも書くべき事は決まってますがフォーマットは定まっていません。

この件に関するEU当局謹製の解説。それぞれgoogle検索すると出てきます。
Toy Safety Directive 2009/48/EC An explanatory guidance document
Toy Safety Directive 2009/48/EC Technical documentation


まずは自己宣言書ですが、勝手がわからないのでサンプル自己宣言書がほしいところです。さっきの当局謹製解説にも載ってたはずですが、EN71 Declaration/of/Conformity でGoogle検索するといろんな会社のDeclarationがいっぱい出てくるので、適当なものをまねるとよい。です。

サンプルとしては、見た中ではここのがわかりやすかったです。
https://www.logo.ee/et/product/getdocument/10025584/P940.55%20CE_Declaration.pdf

hobbycraft.co.ukなる親切なイギリスの手芸店的なところが、なんと玩具を作りたい人のために簡単な解説と自己宣言書のテンプレを用意しています。そのまま取ってきましょう。
http://www.hobbycraft.co.uk/toy-safety
http://www.hobbycraft.co.uk/supplyimages/WF1041/toysafety-declaration.doc

ようは大体以下のようなものを書けばよいと。

******

EU DECLARATION OF CONFORMITY


[This declaration of conformity is issued under the sole responsibility of:]

Manufacturer/Distributer's Name: Late Toccobushi Game Club
Manufacturer's Address: 2-28-8 Midori-machi, Musashino-shi, Tokyo, 180-0012 Japan (※これは東京都武蔵野市役所の住所なので真似して書かないように)


[Product Identification]

Product Name: Square on Sale
Product Number: TCBS-001
Product Description: An intellectual board game of auctions, mainly for adults (Ages 14 and up). Children of ages 12-13 also able to play with appropriate adult's guidance.


[The products mentioned in this declaration are in conformity with:]

EU Conformity Legislation:
2009/48/EC Toy Safety Directive (TSD)
Relevant harmonised standards:
EN71-1:2014
EN71-2:2011+A1:2014
EN71-3:2013+A1:2014
EN71-9:2005+A1:2007
Other specifications:
(none)
Notified body (where applicable) [公認機関]:
(Not applicable)
Additional information:
(none)

[Signed for and on behalf of:]
Place and date of issue: Tokyo, 01-Aug-2017
Signature [署名]:
Name and Title: Taiju Sawada, President
Company Name: Late Toccobushi Game Club

*****

上記を見ると、EN71というのがひとつではないことに気づくと思います。現在EN71はpart1からpart14までに分かれています。
1: 機械的・物理的特性
2: 可燃性
3: 特定物質が手とか口とかに移ることについて
4: 化学実験器具とかそういうやつについて
5: 実験器具じゃない化学玩具について
6: 警告用ラベルに関する規定
7: フィンガーペイント(指で描く絵の具)
8: ブランコとか滑り台とかそういうやつ
9: 有機化合物(要件)
10: 有機化合物(サンプルの用意)
11: 有機化合物(分析方法)
12: ニトロソアミン(発癌性物質のひとつ。口に入れるもの)
13: 匂いを嗅ぐ系ボードゲーム、化粧品、味覚に関するゲーム
14: トランポリン系

まあこれを見ると、匂いを嗅がない系のボードゲームであれば、関係しそうなのは1, 2, 3, 6, 9~11くらいかな、となるでしょう。
実際その通りなんですが、6のラベルの規定(かの有名な3歳児以下絶対禁止マークがこれですね)は今は別のpartのところに書いてあるので、
このpart6自体は欠番になっています。
それはいいとして、「EN71-2:2011+A1:2014」みたいに、[2011+A1:2014]とかよけいな何かがくっついたりしてますが、これは規制文書のバージョンです。割と頻繁にアップデートがかかるんですね。とりあえず上記のは2017年現在での1, 2, 3, 9 の最新版です。

いまどの文書が最新かというのは調べ方はいろいろありますが、とりあえずは英国規格協会の規制文書販売サイト(「販売」!)
https://shop.bsigroup.com/
で「EN71-1」とか検索するといろんなバージョンが出てくるので、名前からして最新、というものをピックアップすればよいです。
ちなみに上記の通り英国では公の組織がくそ高いお値段で売ってる一方、「EN71-1 PDF」とかで検索すると、なんか普通にダウンロードできたりするんですが、これは別にいいんでしょうか本当はよくないんでしょうか。民間の文書なら明らかに良くないわけですが、でもこれEUの規制文書だしなあ。日本で言えば内閣府令が3万払わないと読めないみたいなやつでしょ? それはどうなんだ。

ところでチェックする対象となる指令は本当に2009/48/ECだけでいいんでしょうか。実際の所よくない場合があります。巨大な音を出したり鉛的な金属を使ってそうだったり、電気仕掛けだったり(RoHS!)、まあ諸々の理由がある場合、それ用の指令も満たす必要があります。でもまあ、いわゆるごく普通のボードゲームであれば、2009/48/ECだけでいいんじゃないでしょうか。この点についてはまたあとで触れます。

とりあえず自己宣言書の話は終わったので技術文書のほうにいきましょう。
前掲「Toy Safety Directive 2009/48/EC Technical documentation」に説明されている(特にp18-19の表とそこからのリンク)ので、それを読めばいいんですが、

検査機関に全面的にお願いするのではなく概ね自分でなんとかすることに決めた場合、技術文書というのは以下のものを含んでる必要があります。
・デザインと製造に関する詳細説明。各コンポーネントのリスト(ボードゲームの説明書に書いてあるやつ)、そのリストされた物品のそれぞれについて、材質とか、あとケミカル的な要素を含む場合は安全性に関するデータシートとか。説明書自体もこれに含みます。印刷所に出してる場合は印刷所に出した仕様とか。
・安全性評価シート。これは前述のhobbycraft.co.ukが実例を用意してくれています。たいへんわかりやすいのでありがたく使うとよいです。http://www.hobbycraft.co.uk/supplyimages/WF1041/toysafety-assessmenttemplate.xls
・製造場所と保管場所の住所。立ち入り検査するためでしょう。
・自己申告書のコピーも技術文書に含めます。
・検査機関も使ってる場合は当然、検査機関によるOKとかレポートとか、あと検査機関に提出したものとか。
・適合性評価について、実施した手続き(デザイン編)。
・適合性評価について、実施した手続き(生産編)。

技術文書の書き方は、玩具以外のCEマーキングについてならば、日本語でもいろいろな情報があります。
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/reports/H25_sc_tyousa4.pdf
https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/07001771/cemarking_201403.pdf
上は経産省、下はジェトロの文書です。基本的にこのひとたちは玩具などというどうでもいいものには振り向いてくれないんですが、それでもジェトロの文書の37頁から39頁は、だいたいどういうものを用意すればいいか書いてあるので読むといいでしょう。

でもってこの規制の話全体の本編が「適合性について、実施した手続き(デザイン編)(生産編)」です。ちなみに、印刷所とかに生産(でもデザインでも)を丸投げした場合でも、このドキュメントを製作する責任はあくまでも依頼者側にあります。
デザイン編では、生産者は
・必要な要件がどれであるか同定する
・適切な分析とリスクアセスメントを行う
必要があります。
生産編では、生産者は
・それに沿うことによって生産物が法の要求を遵守している、生産プロセスがそのようなものであることを確保するために必要なあらゆる手段を取り
・詳細なテストとコントロールを行い
・製品のアウトプットが要求通りのものになっているかモニタする
必要があります。
当然、その中で、ブツがまともであることを確認するために行ったテストのレポートも、ドキュメントの一部として必要になります。

このふたつのうち、デザイン編はそれでもがんばって書こうという感じの起きるものですが、生産編はどうしたもんかって感じが漂います。生産管理がしっかりしていれば、仮に事故が起きてリコールになった場合でもリコールの範囲を特定できるが、そうでなければ全部リコールになるのだ、みたいなことが前掲のガイダンスに書かれているんですが、もうこの記述自体が、同人ボードゲームなどというものを全く想定していないことを顕わにしているわけで。こっちは一回500部刷ったら次の刷はどんなに早くても半年後だよ、というね。どんな小さなリコールだって500個ってこたないだろうと。まあそんな訳なので、第何刷かをパッケージにきちんと記載するということをデザイン的に確保した上で、
「刷ごとに、いつ刷るか、自分で組み立てるならどこのパーツをどこからいくつ買って作るか、印刷があるならどこの印刷所に投げたか記録して保存する」
「刷と刷の間は最低3ヶ月あけることにより、ごっちゃになることがないようにする」
「印刷所を使う場合、刷り上がったものについては2~3個ランダムサンプリングで開封し、清潔さのチェック、要求仕様通りであることの確認、物理的形状に危険の無いことの確認を行う」
「EN71-2/3/9の対象物をパーツとして含む場合、パーツの供給元から証明を受け取るか、あるいは自ら検査機関にかけてチェックする」
あたりを書いておけばいいんじゃないかと。

ということで生産編はてきとうにお茶を濁してデザイン編です。
デザイン編でまずやるべきことは、まず自分の作るものがEN71-1/2/3/9以外の対象に明らかにならないこと、また2009/48/EC以外の対象に明らかにならないことを確認し、それを記すことです。これは材料上のコンセプトとプレイ上のコンセプトを決めてしまうことでわりあい容易に達成できます(シュリンクとか、駒を梱包しておくビニールとかは、一回開封したら捨てるものであることを前提として、規制対象外になります)。
・比較的高度な算術や推論を要する知的なボードゲームであり、8歳未満の児童が遊ぶには明らかに適さないものにする
・電気的なものは使わない
・粘土とかそういう引っ付くものは使わない(ゲーム上使う場合もコンポーネントには含めず、ユーザに用意させる)
・嗅いだり口に入れたりとか論外
・鉛筆とかクレヨンとかも同様
・体(とくに頭)なにか近づけたり巻いたり着けたりとかしない
・原則として印刷された紙(ニスまたはポリプロピレンのコーティングを含む)と厚紙のみを用いる
・補助的に、ガラス、木材(ペイントを含む)、アクリル樹脂、ユリア樹脂を用いる(この辺は増やせば増やすだけ検査が面倒なので注意)
・長辺が10cm未満のジップロック袋は用いてよいが、10cm以上のものは使わない(というかジップロックは入れない方がいい)
・巾着袋はできれば入れないほうがいい(紐の長さに関するテストが必要)。チット引きをやる場合でも、外箱を使わせるか、紐の無い袋を用いたほうがベター。
・金属は一切使わない(説明書は規制の対象に含まれないが、コンセプトは貫いたほうがいいので、ステープラーも使わない)

特に、一切が紙と厚紙だけでできているように設計されていると、ほぼ何も検査しなくてよくなるので、話がとても楽になります(紙のコーティングに何を使ったかと、インクが何インクであるかを聞いておく必要があるかな、くらいですかね)


上記のコンセプトを決めることで、なにゆえ2009/48/ECだけでいいのか、なぜEN71-1/2/3/9だけでいいのか、ということを書くことができます。
ということで書いてみましょう。

2009/48/ECは「ニューアプローチ指令」というものの一部です。さっきのジェトロの文書のp.10-11に、ニューアプローチ指令の一覧がありますので、この中で自分のプロダクトが明らかに2009/48/ECのみ適用で問題ないことを示しましょう。

1. 2009/48/EC 玩具安全: 対象
2. 89/686/EEC 身体保護用具: 明らかにボードゲームには関係ない
3. 90/385/EEC 埋め込み式農道医療機器: 明らかにボードゲームには関係ない
(中略)、
16. 2006/42/EC 機械: 機械的な機構を含まないタイプのボードゲームなので関係ない
17. 低電圧電気機器: 電気機器を含まないタイプのボードゲームなので関係ない
(後略)

こんな感じのことを英語で書いておくとよいと思います。同様のことをEN71-nについてもやりましょう。

それではEN71-1/2/3/9について見ていきます。

EN71-1は8章+Appendixの構成ですが、基本的には第4章、第6章、第7章だけ見ていればよく、残りは必要に応じて参照すればよいです。4章が一般的な要件、6章がパッケージに関する要件、7章が警告表示に関する要件です。

4.1 物品の清潔。検品のときのチェック項目に入れましょう。
4.2 組み立て玩具。ボードゲームでも型抜きとかこの厚紙とこの厚紙を組み合わせてくらいのことはやりますが、ここで書かれているのはそういうことではなくもっとがっちりしたおもちゃのことなので、ボードゲームである限り通常は無関係です。無関係だと宣言しましょう。
4.3 プラスチックシート(ビニールシート)。基本的には(裏張りされてない)ビニールシートについての要件ですが、10cm x 10cmより大きいプラスチックシートについては規制の対象になります。ということは、ジップロックも規制の対象になるわけですね。10x10というのが面積を言っているのかちょっとでもはみだしたらということなのかは不明ですが、ここではより厳格に、長辺が10cmを超えるそういうものを入れないようにしましょう。で、入ってません、と宣言します。
4.4 トイ・バッグ 開口部が38cm(直径ではなく周辺の長さです)以上の場合、ちょっと面倒なことになります(かぶって窒息しないのが眼目なので、不織布みたいに空気を通す素材でできてればOKです)。そういう大きい巾着袋などは基本用意しないようにして、その旨を宣言しましょう。3歳以下の子が使う場合は巾着袋の紐の長さも問題になりますが、3歳以下の子のことは今は考えないことにしているので、紐の話は忘れてよいです。
4.5 ガラス ガラスのマーブルを使う場合は落下試験と耐衝撃試験ををやる必要があります。ガラスは化学試験をやらなくていいという意味では優秀な素材なので、落下試験をやる価値はあります。落下試験は、4mm厚の鉄板の上に、ショアA硬度(という指標が世の中にはあるんですが)70-80のゴム2mm厚を敷いて、その上に80-90cmの高さから5回落としてなんともないことを見る、みたいなことをやります。耐衝撃テストは、鉄板の上にテスト対象物の一番もろそうな箇所を向けて置いて、その上に高さ1mのところから1kgの分銅的なものを落っことす、みたいな感じです(8.5, 8.7節に記載)。テストしたならそのテストの詳細な記録、ガラス入れないならその旨を書きましょう。
4.6 伸びる系の物品。入れないようにしましょう。
4.7 カドとかジョイントとかファスナーやらネジやら締め付け系の物品。カドは金属やガラスのときに問題になりますが、ボードゲームでガラスったらおはじきとかそういうやつですから問題にはならないでしょう。というようなことを書きます。
4.8 先端とか金属線。入れてませんね。
4.9 傘の先みたいな突き出た形状のパーツ。ボードゲームでたまにそういうの使うことが無いとは言いませんが、ここでは無いものとみなして次にいきます。ある人は記載に従ってテストがんばりましょう。
4.10.1 スライドしたり折りたたんだりする機構。ボードゲームのボードは四つ折りだったりしますが、ここで想定されているのは折りたたみ乳母車てきなやつなので、我々には関係ありません。
4.10.2 運転に関する機構。関係ありません。
4.10.3 ヒンジ。ごくまれにヒンジが出てくるボードゲームもありますが、まあ関係ないでしょう。
4.10.4 バネ。これもまれに出てくるゲームがありますが、関係ないことにしましょう。
4.10.5 お口に含むもの。含めてはいけません。当然っちゃ当然ですが、お口に含むものについては、検査内容はかなり厳しくなります。
4.12 風船。入れないように。
4.13 凧とかその他空を飛ばす玩具の紐。これは紐ではなくて凧が主眼の項目なので、関係しません。
4.14.1 子供が中に入れる系のでかい玩具。関係ないですね。
4.14.2 マスクとヘルメット。関係なし。
4.15 子供の重量を支えられる系の玩具。すごい長い節ですが言うまでも無く関係ありません。
4.16 重い、動かない玩具。関係ないです。
4.17 射出系。ボードゲームで射出機構があるものはたまに見ますが、そういうものをエッセンにもってくのはやめましょう。
4.18 水がらみのおもちゃ、(水を吸ってとかで)ふくらむおもちゃ。関係ございません。
4.19 撃発雷管…えっと、何ですかそれ??
4.20 楽器系。でかい音がなるやつ。無くもないですけどねこれも。まあやめといてください。
4.21 熱源(非電気的な手段による)を含む玩具。関係あるわけ無い。
4.22 小さいボール。久しぶりに関係あるやつです。直径4.45cmの孔をくぐれるボールが該当します(ただし、ぬいぐるみ的なふにゃけたやつは対象外らしい)。なんか色んなテストをしないといけなくなるので、どうしても作品上必要でない限りは、ビー玉とか入れないほうがいいと思います。
4.23 磁石。これも時々つかうゲームありますが、磁石入れてると磁石に関する検査が必要になりますので、入れない方が楽です。
4.24 ヨーヨー。これを使うボードゲームはさすがにないですよね。
4.25 食玩系。食玩は止めましょう。

以上が4章です。チェックシート形式で関係ないことを証明していくとよいと思います。
5章は3歳未満向け玩具用の特別考慮。無関係。

6章はパッケージ。ただし、シュリンクとか、すぐ捨てちゃうやつは規制の対象外です。下記の通りで、まあ4章で触れたことと基本同じ。あと外箱はだまって普通の紙箱にしときましょう。そいで、この規制は適用対象外、こっちのはごらんの通り(写真か何かを持ってくる)満たしてます、みたいにやっていきます。
a) (10x10cm以上の大きさの)プラスチックシートとかバッグについては、一定以上の厚みを持ってる必要があり、テストの対象になります。避けましょう。
b) 38cm以上の大きさのビニール(プラスチック)バッグについては、紐で縛る巾着袋形式を取ってはいけません。
c) 球体状のパッケージ(ガチャみたいなやつ)については、ボールに関する規制がそのまま適用されます。
d) パッケージに玉みたいのがくっついてる場合も同様。
e) 3歳以下向けのおもちゃの場合は、半球状のパッケージをしていたら、3歳向け半球に関する規制がそのまま適用。

7章は警告表示。パッケージと説明書に書く必要があります。売る国の言葉で書かれていないといけません。ドイツで売るならドイツ語が必須ということになりますね(ドイツ語の説明書も必須ということに)。その上で、ここに書いてあります、あるいはこういう理由で書かなくていいのです、と宣言していくことになります。
7.2 三歳未満絶対禁止マークと「“Warning. Not suitable for children under 36 months. Small parts”」とかの表示に関する規定。ほぼあらゆるボードゲームに書いてありますから、そのまままねして書きましょう。
7.3 ゴム風船に関する警告表示。ゴム風船は入ってないはずなので関係ないです。
7.4 水かんけいのおもちゃに関する警告表示。関係なし。
7.5 機能玩具、おもちゃのミシンみたいに実際になにかしら出来ちゃう系のおもちゃ、に関する警告表示。関係ないですね。
7.6 先端とかがある場合の警告表示。ないようにしましょう。
7.7 射出がある場合の警告表示。ないようにしましょう。
7.8 マスクとかヘルメットがある場合の警告表示。ないようにしましょう。
7.9 凧の警告表示。かんけいないです。
7.10 ローラースケートとかその手のやつの警告表示。その手のやつじゃ無いです。
7.11 ゆりかごとか檻とかにくっつけたりする系のおもちゃに関する警告表示。何を言っているんだ。
7.12 液体のつまったおしゃぶりに関する。本当に訳はこれでいいんだろうか。いずれにせよ全く関係ない。
7.13 撃発雷管に関する。だからなんだそれは。
7.14 楽器系に関する。楽器系じゃ無い。
7.15 おもちゃの自転車に。じゃない。
7.16 子供の重量を支える系のあれに。あれじゃない。
7.17 モノフィラメント・ファイバーで作られる玩具に。おお、シャドウラン!(ちがいます) 
7.18 おもちゃのスクーターに。
7.19 木馬系。
7.20 磁石とか電気をつかう実験用おもちゃ。そういうものでないようにしましょう。
7.21 電気ケーブルの入ったおもちゃ。これも関係ないようにしましょう。
7.22 紐とかが入ったおもちゃで、1.5歳から3歳向けのもの。向けのものではありません。

8章はテスト方法なので無関係です。

続いてEN71-2. 可燃性チェック。これも要件は4章に書いてあります。
4.1
・セルロイド禁止(ただしニスとかペンキとか糊とかで使われてる場合と、卓球のボールで使う場合だけは許す)
・セルロイドと同じ感じで燃えるようなやつは禁止。ここが重要でしょうね。セルロイドと同じ感じで燃えないためには、(用途がニスとかでなくてたとえばダイスで)プラスチックを使ってる場合、それが何の素材であるか把握し、書いておく必要があります(これはユリア樹脂だからそれほど燃えないんです、みたいな)。ここがプラスチック駒の難点。木はまあ木なので、セルロイドと同じような感じではさすがに燃えません(MDFはちょっと微妙。使わない方が賢明でしょう)。
・ベルベットみたいに毛羽立った素材はチェックの対象になります。使わないように。
・当然ですが燃える液体とか燃えるガスとかそういうのについては厳格に使用量規制があります。が、ボードゲームについては関係ないです。
4.2 頭にくっつける系のおもちゃにおける特殊要件。まあバンドを頭に巻くゲームとかありますけどね。
4.3 コスプレ衣装とか身につける類いの。かんけいないです。
4.4 子供が中に入って遊ぶ系。かんけいないです。
4.5 ぬいぐるみ系。まあ関係ないでしょう。

そしてEN71-3.化学検査ですね。ここで見るべきは4章ではなく、対象を書いた1章です。
「予期される使い方において、吸ったりなめたりしゃぶったり長い時間肌と接触したり、そういうようなことが無い玩具は、本文書の対象外とする。」
「ただし、6歳までの子供を対象年齢に含む場合、6歳までの子供はそういうことをするもんなので、対象に含む」
ボードゲームはもちろん吸ったりなめたりしゃぶったりするものではありません。駒を取って置くか、カードを手に持つくらいですから、長い時間肌と何かが触れる、というほどのこともないでしょう。そしてエッセンに持って行くようなボードゲームといえば普通は8+かもっと上です。なので、わたくしはEN71-3、スキップしてかまわないと考えます。
(なお、対象年齢に関する考え方として、欧州ではCEN CR 14379という文書が定められているんですが、すくなくともこの文書の2002年版では、3歳までのことは色々書いてあっても、6歳という判断基準については何も書いてありませんでした。どうすんだこれ。あんまり役に立つとも考えづらいですが、米国の同様の文書である、 CPSCという機関が出してるAge Determination GUidelinesには、そのへんの基準が書いてあります)

最後にEN71-9. 有機化合物。ここではチェックの対象となる項目および材質が26組、表の形で挙げられています。★と☆のやつだけ気にする必要があります。
1. 3歳以下で口に含む以下略。
2-4. 3歳以下が手に取って以下略。
5-6. 3歳以下略。
6-9. 口に含む系おもちゃのマウスピース。
10. 水を吸って膨らむ系
11-13. 口とか鼻とかにくっつける系のおもちゃ
14-15. 子供が中に入れる系
☆16. おもちゃとして売られてたりおもちゃの中に含まれる、お絵かき系のもの(くれよんとか)。これはぼーっとしてると引っかかりますので、そういうものが必要な場合はユーザーに用意してもらうようにしましょう。
★17. おもちゃのコンポーネントで、触れる部分にあるもの。インドアユース。材質:木材。はい。ここで木材が引っかかります。これってシックハウス症候群的な話が意識されてるはずだから、ボードゲームの駒みたいのは気にしなくていいと思うんですけど、まあ言っても仕方ないことです。主に防腐剤関連でいくつか指定化学物質があり、何かしらの検査結果の記載が求められます。化学物質含有に関するテストなので、ちょっと素人の手には負えないですね。ちなみに定義上、紙は木材ではありません。
18. 17のアウトドア版。
19. にせ食い物。
20. 痕を残すための堅いもの。
21. おもちゃの中の、さわれる液体。色つき。
22. 21の色なし版
☆23. 粘土とか。粘土ゲームの粘土はユーザに用意してもらいましょう。
24. 風船をつくる化合物。
25. にせタトゥー
26. にせジュエリー。

はい。以上でございます。前掲のEU謹製解説文書にドキュメントのサンプルが用意されていますが、基本的にフォーマットは規定されてません。思いの丈を英語で書きましょう。それではがんばってください。




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by Taiju_SAWADA | 2017-08-03 01:09 | 雑題
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