欧州ゲーム屋紀行 パリ編(後編)

やっとケーブルが見つかったので後編です。既に記憶がおぼろげになってますが、今回紹介するFireballとL'Oeuf Cubeはどっちもミニチュア物についてはコンフロンテーション押しだったような気がします、と書いたあとで写真を見るとFireballの店先は思い切りWHの宣伝になってますね(私信)。



Fireball
http://www.fireball.fr/
3 Rue Monsieur le Prince
地下鉄4番線Odeon駅歩2分

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ここもネット通販あり。ネット通販に力を入れてるところは一般観光客を相手にしない法則でもあるのか、この店もいわゆるところの専門客相手です。考えてみればカルチェラタンって要するに学生街ですから(近くにソルボンヌとかあるです)、別にそれでも充分な客数を確保できるのかも。

店はそれほど広くありません。種類としては全て扱っていますが中心はRPGとボードゲームで、特にボードゲームについては(おそらく)意識してマイナー気味のメーカーを主に揃えています。系列としてはアメリカではなくドイツ寄りのラインナップ。他の店に無い特徴としては、中古ボードゲームを売っているところでしょうか(中古RPGもやってますが、これは他の店でもあります)。目に付いたところではHistory of the Worldの旧版とか。30ユーロくらいですから、激しいプレミアは乗っていないようです。

気になるのは前回のStar Playerとキャラクターが被ってるんじゃないかということで、いや向こうはCCGをベースにしていてこっちはどっちかというとRPGとかボードゲーム系が中心だとか、その流れで向こうよりこっちのが気持ち上の年齢層をターゲットにしているみたいとか、差異はあることはあるんですけど、でも店近いしねえ、向こうがポラリティならこっちはツァバンドールとか、どっちもピッチカーは基本で備えてます(これは二店だけじゃなくパリのどこの店も扱ってましたけど)とか、これどう考えても食い合うでしょう。もしかするとこの店が割り引きセールやってるのもそのせいなんでしょうか。



L'Oeuf Cube
24 Rue Linne, 75005 Paris
地下鉄5番線Jussieu駅歩1分

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前述の4店からは少し離れてカルチェラタンの東端、パリ第六・第七大学(どっちも理系)の脇にぽつねんと存在しているのがこちらL'Oeuf Cubeでございます。これまで紹介していた店と毛色が違うというのは立地だけではなく、たとえばいままでの店は全てウェブサイトを持っていたのですが、この店にはそういう浮ついたものはありません。

当然店の中身のほうも異なっておりまして、んーとこのテイストはどっかで見たことがあるような、というので思いついた表現が1994~95年東京のホビーショップのゲーム区画。あのころ東京は国産RPGの爛熟期、ショップではかつての主力商品ではあったものの今では明らかな不良在庫と化しているウォーシミュレーションをどうしようもない状態で棚にさらし、しかしRPGブームのほうも底が見えてきた感じでこれ以上商品を増やして良いものか、一方でウィザーズオブザコーストなる新参の会社がマジックザギャザリングなる妙な仕組みのカードゲームを売り出していて当店でも恐る恐る置いてみたところこれはもしかして新しい飯の種になるんじゃないのかしら、そんな雰囲気の漂う立川コトブキヤ(は実際にはゲーム切ってモデル方面に移行したはずですが)、って見てきたように喋ってますが全くのうろ覚えなので信頼性に期待はされないほうがよろしいかと。

ともかくそんな風な売り場なんですが、95年東京と異なるのはまずこの店がゲーム専門というところと、あと2006年現在はドイツゲームとミニチュアゲームの勢力が到底無視できないほどに大きくなっていることで、両者とも一応扱ってます。但し実際にこのへんのものが欲しいんであれば余所の店に行ったほうがよいと思います。ここはあくまで古き良き負け大学生のためのゲーム屋ですから。大学生って定期的に卒業で入れ替わりが発生するはずなんですが何でか古い大学生としか形容できない勢力って全然一掃されないんですよね。どこかに生産工場があるに違いないと妄想方面に走ろうとしたところでその生産工場って要するにこういう店のことだよな、と。



L'OYA Cafe
Rue de la Reine Blanche, 75013 Paris
地下鉄5番線Gobelins駅歩2分

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そしてL'Oeuf Cubeからさらに地下鉄で3駅ほど外側に向かい、カルチェラタンのある5区を出て13区、観光客はあまり踏み入れないんじゃないかというような領域に入り込んでしまいました(ほんとはゴブラン織の工房があるので、そういうのに興味がある観光客は来ます)。いい加減出発の飛行機を気にしないといけない時間帯になってきたのでとっとと用を済ませてしまいましょう。かなり迷うんじゃないかと覚悟していたのですが案外すぐに見つかりました。赤い小さなネオンサインで[JEUX]と出ています。

この店は名前からも解るとおり第一義的にはボードゲームカフェでして、1時間遊んで何ユーロ、という形の料金設定が行われています。ならボードゲーム屋とは違うじゃないかというとそうでもなく、店の人の言うことには「この店で遊ばれている全てのゲームは購入することができます」(片言風。残念ながら店の人は英語に関しては辛うじて喋れる程度なので、フランス語が出来ないのであれば全うなコミュニケーションは期待できないかもです)

尤もこのコメントがほんとに本当かどうかというのはちょっと怪しく、たとえば店の隅のほうにはおそらくもうローテーションに入らなくなったものと思われるちょっと古めの絶版ゲームが邪魔そうに転がっているのですが、仮に「あれ売って」と言っても売ってくれるかどうか。ローテーションにかかっている新し目のゲームについては全部新品で在庫を持っていて正札付きでディスプレイされていますので、おそらく「いまローテーションにかかってる近作については」全部売れるよ、ということなんじゃないかと思います。試しにやってみるのも面白いとおもいますけどね、「あそこの棚の一番上にあるアウスゲブレムストっていくら?」とか。

インテリアはわりあい居心地のよさげなトーンで統一されており、また購入したり冷やかしたりするだけなら時間チャージもかかりませんので、織物見学の帰りにでもお立ち寄りになられては如何でしょうか。何となればフランス人とボードゲーム・ウィズ・ディスコミュニケーションに挑戦とか。
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by Taiju_SAWADA | 2006-02-23 00:43 | 雑題
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