2005年 06月 27日 ( 2 )

ナイアガラ Niagara

[流れる川をカヌーで行ったりきたりして、滝から落ちないようにしながら川の途中にある宝石を取りに行くゲーム。移動は全員で移動力タイルを伏せて出して、せーので公開。移動力タイルは自分のカヌーの移動力を決定するのは当然ながら、川の流れの速さを決定する要因でもあり、具体的には出た移動力タイルの中で一番小さい移動力タイル+川の流れのベース値に等しい分だけ川が流れる。まともな移動力タイルを使い切って「パス(川の流れのベース値を変更する)」を出したときに他のプレイヤーが全員高い移動力のタイルを出してたりすると最悪で、確実に川に飲み込まれてさようなら。]

発売されるゲームの難易度の平均がじりじりと上がり続ける傾向と言うのがずーっとあって、そりゃ確かにXXXX(適当なゲーム名を各位挿入されたし)は面白いゲームだけどその道の先にあるのは行き止まりだけだよ、という微妙な苦い感じが付きまとっていたので、こういう単純で能天気で確かに楽しい馬鹿な佳作が存在してくれるとどうしても持ち上げたくなるのも人情です。川の流れを表現したギミックに単に騙されているだけなのではないか、という疑問はちょっと感じつつ、まあいいじゃないか楽しいのだから、と全てをうやむやにしてOKにしてしまいましょう。

とは言いつつ一点問題を挙げるとするならば、まさにそのギミックの部分になります。川は滝の手前で二手に分かれ、川が一マス流れる度に、その分かれた先で右か左のどっちかの支流にいるカヌーが滝に落ちていくのですが、ギミックが妙にきっちりとできているので、最初に1マス流すと左の支流が、次に流すと右の支流が、さらに流すと左の支流、というように、流れていく支流がほぼ必ず交互になるのです。ルールは「交互にならないこともある」くらいの前提で書かれているようなのですが、今回のゲームでは交互の原則を外れることは一回もありませんでした。これが何を意味するのかと言うと、下流に突っ込んでいったカヌーが戻ってこれるか否かということを、ほぼ正確に計算できてしまうのです。このゲームは「計算が狂って滝に落ちる」ことが最大の眼目ですから、ここのバランス取りは非常に微妙なところでして、単純ランダムでは決して成り立たず(確率50%で落ちるのではリスキーになりすぎる)、といって乱数が効かないのではスリルがありません。交互原則がゲーム中2~3回程度崩れるのが理想なのですが、なかなかそう上手くはいかないようです。ドライなことを言ってしまえば、サイコロを振って交互原則が守られるかどうか決めればいいのですが、しかしこのゲームにおいてすべてを煙に巻くギミックの魔法というのはとても大事なものなのでそういうわけにもいかず。ちょっとした工作でなんとかなると良いのですけど。

Niagara
by Thomas Liesching
Zoch, 2004
★★★☆
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by Taiju_SAWADA | 2005-06-27 00:26 | 感想・紹介

Breaking Away

[一チーム(一プレイヤー)四台持ちの自転車レース。最初に各車につき、定められた移動ポイントを3つずつに割り振っておく(チーム全体で3つ、ではなく、一台につき3つ)。手番がきたら(先頭の自転車から順々に手番が来る)、割り振った3種類の移動力のうちひとつを使用。使うとその移動力はなくなるので、代わりとしてターンの終了時に、自転車の位置関係というか具体的にはスリップストリーム具合から各車に移動力が与えられ、再び次のターンには3種類(前のターンで使わなかった2つと、新たに与えられた1つ)のうち一つを選べる。レース途中のチェックポイント2箇所通過着順と最終着順から勝利点が与えられ、勝利点合計の最も高いチームの勝ち。]

上記の紹介文と、あとは具体的な位置関係→移動ポイント補充のルールだけでルール説明が終わってしまうという、非常にシンプルなルールでして、遊ぶ前はこれでいいのかちょっと不安になったりするのですが、遊んでみるとこれ以外は考えられないというくらいの奇跡的な正解。ゲームシステムそのものは1マスごとの位置関係が直で効くシビア極まりないものなのですが、自転車の動きに着目すると、スタートダッシュで仕掛けて一周持たない負け選手とか、中盤まで目立たずにいて第二チェックポイント直前で猛然と前に出てきて通過着順一位をゲットしてそのまま俺今日の仕事終わりな選手とか、がんばって最終着順で表彰台を狙おうとするんだけど残り四分の一周で力尽きてもう僕はペダル漕ぎませんあとは慣性でなんとかしてくださいな状態になってゴール直前で刺される選手とか、妙な具合でコミカルです。自転車レースってこういうものなのかもと妄想させる力にも秀でていると言えましょうか(自転車レースをよく見ているプレイヤーからは「自転車レースの再現性はかなり高い」という感想が出ていました)。

とにかく相手の足元を見て、あっちは確実にここに入ってくるからその後ろにチーム四台連なって入れるように頑張りましょう・あるいはそれができない場合に誰に犠牲になってもらうか考えたり仕方ないから思い切って先頭に出るか考えてみたり、そして各チェックポイント前でいつ飛び出せば勝利点を有効に獲得できるか(下手するとチェックポイント獲得直後に何もできなくなったり、もっと酷いとチェックポイント直前で何もできなくなったりします)、という位置関係の操作・のままならなさ・が全てのゲームでして、それを全編に渡って行い続けるので単調と言えば言えなくもないのですけれども、ゲーム時間が75分程度とちょうど良いのと、前述の通りのチェックポイント制が絶妙の効果を挙げていて各車ごとの戦略の違いを見るのが楽しいので、特にその点については問題にはならないと思います。難点といえばコンポーネントがあまりにもコメントに困るということくらいでしょうか。ルールの単純さ完成度の高さにテーマの普遍性を考えれば、インディーズで出すのではなくメジャーメーカーから出して10万部売るべきゲームなのですが、10年以上インディーズで売り続けているのは何か理由があってのことなんでしょうかね。

Breaking Away
by John Harrington
Fiendish Games, 1991
★★★★
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by Taiju_SAWADA | 2005-06-27 00:25 | 感想・紹介