2006年 02月 09日 ( 1 )

悪いゲームマスターに立ち向かう

※ケーブルがみつかんないのでパリのことはしばし忘れて別の話を

コンピュータRPGじゃないとまともに表現できないよなー、というジャンルとしてホラーを挙げることができます。無論ホラーを扱ったテーブルトップのRPGはいくらもあるのですがー、ただどうしてもねえ、なんか事を起こして正気を保てなくなって飛んじゃいました、って面と向かって厳かに宣言されるとー、まあ爆笑っすよねえ。というわけでホラーとしてスタートしたはずのものが気がつくと発狂タイムトライアルに早代わりとなってしまってうーんこれは楽しいんだけど当初の予定とはなんか違うなあ。

そのものを演るのは諦めるとしてももうちょっと当初の計画に近いものがいいな、ってんで、サスペンス気味のホラーならなんとかなるんじゃないか。つまり知り合いの口から「あなたは発狂しました」とか正気を疑うような言葉を聴くことになるのが拙いんで、ゲームマスターはプレイヤー間の相互不信を煽ることに専念して余計なことはしない。ゲームマスターとプレイヤーの間には情報の非対称性がありますから、これを悪用すれば、あと雰囲気を崩さないように気をつければ、それなりの疑心暗鬼を呼び出すことも可能でしょう。相互不信を煽るRPGは実際にありますよね。

さて、このゲームマスターとプレイヤーの間の情報格差という構造は現状では実質ガイギャックス一派の占有物となっていて他の業界ではあまり見られないのですが、でも別にパテントが出てるわけでもなさそうだし勝手に使ったっていいでしょう。というかむしろ何で今までマイナーな存在に留まっていたのかという話で、特に協力ゲームをやるんであれば積極的に使っていくべきなんじゃないでしょうか。RPGと区別つかないから? でもルールゲームとして整えられたRPGって魅力的だと思いますけど。

取りうる構造はいろいろあるとは思うのですが、ここはボードゲームの古典に忠実に、正確にはボードゲームの駆動力に忠実にといったほうが良いとは思いますが、勝ち負けを決めるものとして描いてみましょう。つまり、悪いゲームマスターに立ち向かう勇者が五人。勇者は知恵と力と鋼の結束でまた一歩と平和を目指し、しかし卑劣なるゲームマスターは勇者を堕落させんと彼らの耳に惑いを吹き込み、すると鋼の結束はいつの間にか霧となり残るは露になった不和ばかり、一人が賢くも我に返っては大義を呼びかけるも哀れ仲間の手によって断頭台に消えるのであった、とかそんなん。

何がポイントかといいますと、RPGではゲームマスターに極めて強い権限が与えられていて、「そうであるがために」ルールとして記載されているか否かに関わらず、ゲームの成立のための自明な前提としてこの権限は中立的にしか作動させられないことになっていました。ゲームマスターの中立はRPGにおいてジャンル全体を縛る規則なんですが、これは権限の前提があるから必要になるだけのものであって、元々ルールが強くて権限を云々しなくてもいいボードゲームではこれに捕らわれなくても構いません。理屈で言えば如何様なポジションでも取ることができます。先の例では解り易い例として対決構造を取るようにしましたが、ゲームマスターも一人のプレイヤーと同様に扱うとか、あるいは誰かに肩入れするとか、いくらでも歪な構造を考えられます。歪というとあまり良い言葉ではありませんが、ここではその歪みこそがゲームを駆動する力なのですから、端正でなければならない理由など何処にもないのです。
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by Taiju_SAWADA | 2006-02-09 00:40 | うわごと