2008年 04月 21日 ( 2 )

「重力の儀」について簡単に。

えーと、ゲームマーケット 2008 (2008/4/27) において「重力の儀」というゲームを出展します。たぶん B2FGames LLC. に並んでるはず。 20 部しか作れなかったので(石が重いのですー。既に重力で箱が潰れてるのですー。これ以上は勘弁してくださいー)もしかすると「ちょっと欲しかったけど目の前で売り切れましたイェイ」みたいな方が出てくるかも。そうした方がいらっしゃったら、たぶんそのうちコンポーネントとかルールとか全公開するんで自作をお願いするという方向でひとつ。「同人ゲームに五千円も出せるか馬ぁ鹿」な人も自作すればいいんじゃないかしら。つうか正直自作の人はもっと胸を張るべきだと思います。何も我々まで書籍とか音楽の業界の轍を踏むこたないのですよ。折角まだ余計な泥が付いてない状態なんだし。

何の話でしたっけ。そうそう重力の儀。ここ数日で変な文章を三つほど載せましたが、これはフレーバーテキストの代わりだと思ってください。このゲームはルールを一頁にまとめる為にフレーバーテキストを削っちゃったのです。お好みのものを採用していただきたい。言うまでも無いとは思うんですけどフレーバーテキストってことで全部架空の設定ですんで宜しく。

どんなゲームかと申しますと、フレーバーテキストでも少し触れてますが、手頃な石を競りで手に入れて重さの順に並べるゲームです。ゲームのポイントは、しすてむてきには「石を競り落とすためのお金も石」というところで、石の重さ=金銭的価値は量ってみないとわかんないので、つまりビッドをかけた段階では自分のビッドの正確なところは不明ってことになるわけですね。オークションゲームというのは「競りの対象物のプライシングに関するゲーム」と「ビッド自体の技術(プライシング通りにビッドする技術)に関するゲーム」の二つにざっくり分けることができて、でもって恐らくは9:1以上の割合で前者が多いんですけど(ということはこの分類には何の意味もないことに)、このゲームは後者のスタイルをこれ以上なく直接的に表現したものになっています。自分のビッドの数値が「文字通り」解らないのですから。

でも実のところ、ゲーム全体としてはその部分に寄せた作りにはしていません。そこに焦点を当てた奇妙な競りゲームも作ってみたいところではあります。しかし今回は止めにしました。極論すれば競りで完全に失敗してもなんとかなるようにしてます。何をしたかったのかというと、んーと、偽伝統ゲームみたいな。石!秤!毛氈!儀式!作法!以上! 的コンセプト至上主義(あー、まだ呆れてブラウザ閉じずに残っていらっしゃいますか?)。ゲーム中どの場面を切り取っても誰かしらが石を持ち上げては首を捻りつつ秤か毛氈の上に置いているという。元々今回は私とは別の原案者からコンセプトを貰うところから企画が始まってるので、なるべくそこを強調したかったのです。

目指したのは作法と言われる物の戯画化なので、もし重々しい顔つきで石を拾う度に何と馬鹿馬鹿しい遊びだろうかと感じて頂けたなら、作者は大変嬉しがります。そういう意味では三つ並べたフレーバーテキストのうち本筋に当たる物は最初の国分寺秤儀保存会だと言えるかもしれません。(好き嫌いで言えば気に入ってるのは二番目のハビタ。天空の城は素面で書けた俺けっこう偉いと思った)

まああれです、作者による縁起ってもゲーム出した後は一人のユーザによる論評でしかないのであって、ここで書いた文章みたいなのはどうでもいいことなのです。何か眼に止まる機会がありましたら。もし宜しかったら遊んでみて頂ければ。作者として本当に言うべきことはそれだけです。

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追記 2008/4/29

ルール公開しました。
http://b2fgames.com/filemgmt/index.php?id=84
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by Taiju_SAWADA | 2008-04-21 00:20 | 創作関連

天空の城タチカワと重力の儀

東京都立川市。かつてここに立川飛行場があった。そして今も横田基地がある。

横田基地は米軍の極東における主要兵站基地であるが、それ以外にもう一つの使命を持つ。それはかつての日本軍がここ立川に飛行場と航空産業を集中させた理由と全く等しいものであり、つまり天空の城タチカワの発見である。

立川市にはいくつか土地に伝わる伝承がある。伝承というものはどこの土地にでもあるものではあるが、立川市の伝承は日本の他の地域に伝わる物とは毛色が大きく異なる。その内容は日本(あるいは中韓)の民話とも、西洋の伝説とも異なり、民間伝承またはそれに由来する物語の中で最も共通性が高いのはインドの「ラーマーヤナ」だが、より近しい印象を与えるのはむしろ「海底二万里」や「ガリバー旅行記」といった創作である。

伝承においては、彼らの祖先は空中に浮かぶ城「タチカワ」に住むタチカワ人であるとされる。殆どの市民はこのような空中の城の存在を真に受け取らないが、しかしこの伝承はいくつか無視できない事項を含んでいる。その中でも最も重大なものとして、「飛空石」が挙げられる。立川市には、地層から想定されるものとは全く異なる種類の小石が敷き詰められた不可思議な土地がいくつも存在するのである。この石は世界中のどの石とも組成が異なるものであり、現在は産業的な価値が無いために商業的には放置されているが、研究者の間では「立川石」としてつとに知られている。

無論、表だって空中に浮かぶ城の存在を論ずる者などいない。「タチカワ人」研究にしても精々がインドとの独自の交易ルートについての調査があるくらいのものである。しかしそれでも、この石がそもそも何であるのかが全く解明されていないのは事実であって、また少々陰謀論めいた話にはなるが、日本軍にせよ米軍にせよ、この地に対して不自然なまでの拘りを持っているのも確かなのだ。

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最後に、立川市の子供達の間で親しまれている遊戯(我々はこの遊びを「重力の儀」と呼んでいる)を紹介しよう。伝承の一つにある「タチカワ人の王家の末裔である少女が瓦礫の中から飛空石を見つけ出し、これを不思議な作法で操ることにより天空の城タチカワに帰還する」という一節から取られた遊戯で、少女が石を「作動させる」際に用いた手順を模したものである。伝承では、少女が並べ終えた瞬間に石は閃光を発し、タチカワへの道を指し示したのだと云う。
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by Taiju_SAWADA | 2008-04-21 00:19 | 創作関連