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欧州ゲーム屋紀行 フランクフルト編

この欧州ゲーム屋紀行というのは、ま基本的に旅行記ということもあって書いてる本人にとっては大変面白い企画なのですが、読んでる人が面白いかというと多分面白くないんじゃないかなーと思います。面白くないだけならまだしも、あんまり実用性も無い。これは企画の根本的な問題で、プラハまで行ってちっこいゲーム屋わざわざ巡りたいと思うかと問われれば、殆どの人は、いや城とか橋とかアマデウスごっことかでスケジュールが埋まってて、と答えるでしょう。

ちったあ実用的にならないもんかな、というので今回のフランクフルト編には実のところ編集部としても結構な期待をかけておりました。なぜかというと、まずフランクフルトと言うのは当然ドイツです。ドイツなのでゲーム屋のラインナップにも一定の期待が持てます。そしてフランクフルトには空港があります。フランクフルト空港は成田のような糞港と違って市街地から非常に近いので、とりあえずドイツに入ったらフランクフルトに滞在するという可能性が非常に高い。もっとも個人的にはトランジット滞在ならフランクフルトなぞよりもヴィーズバーデンで温泉に浸かるほうをお勧めしますが。そんなわけで滞在してみるとフランクフルトというのはえらく退屈な街なので(金融機関と売春窟くらいしか無いんじゃなかろうか)まあ見事にやることがない。じゃあ土産にゲーム屋でもいくべか、ということになる確率が、他の都市と比べると際立って高いのです。

さて。

無論我々取材陣といたしましては、何の事前情報も持たずに街をぶらつきまわるのは避けたいのでして、事前にwebとか使ってショップの情報など集めておくわけです。でもって立地条件とか雰囲気とかである程度絞って、これは大丈夫だろうというところに出向きます。


Time Trader
Berger Str. 280-284

郊外とまでは行かない私鉄沿線な感じの町並みをてちてちと住宅街方面に進んでいって数分。最近日本でも少しずつ出てき始めているドネルケバブ屋台の脇を通り、幼稚園を脇目に見つつ、到着しましたバーガーシュトラッセ280番地。

スーパーマーケットになってました。


いきなりの歓迎でブルーになりつつ、スーパーで買ったミネラルウォーターなど飲みながら駅に戻り。


Welt der Spiele
Frankenallee 189

中央駅まで引き返して国鉄で一駅。ちょっとこれはどうかという感じの荒み具合で、といっても中央駅周辺の赤線地帯みたいな荒み方とは違う、人がだれもいなくてでかい道があって車だけがばんばん走っている、もちろん高架はその筋の落書きで埋まってる、そんな風景をたらたらと10分くらい歩く。抜けてみるとあら案外ご立派な住宅などもあるじゃないの、とか思いつつ店はまだか。あ、通り過ぎた。戻ろう。また通り過ぎた。

潰れてた。


半泣きになりながら3番目の Comic Laden Franke (Berlinerstr. 20) を目指して電車を乗り継ぎ歩くも、なんで4時過ぎでもう店閉まってんだよしかもほんとにただの漫画屋じゃねえかゲームのディスプレイなんざ欠片もねえぞ、ということでもう恐慌に襲われて滅びてしまえこんな町。
(※Comic Laden Frankeは単に土曜は4時までしかやってなかったというだけで潰れてるわけではないし、今までの傾向から言って日本漫画を置いてる店にはゲームも置いてある可能性は高いんで、暇なら行ってみてもいいかもしれません。とは言ってみたもののウェブサイト http://www.comicladenfranke.de/ を見るとゲームの欠片もないですなあ)

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Spectaculum
Stoltzestr. 11
Konstablerwache (U4,U5,U6,U7, S-Bahn全て) 歩5分くらいだったような気がする

また閉まってるよ! 4時で店閉めるのやめろー! (しつこいようですが平日は7時まで開いてますよ)

えーと、とりあえずここはゲーム確実に置いてあります。ディスプレイも覗き見た店内も、どこに出しても恥ずかしくないウォーハンマー屋。ウェブサイト http://www.spectaculum-frankfurt.de/ も全力でそのウォーハンマー屋っぷりを主張しておりまして、しかしウォーハンマーはイギリスのものだろう。僕が今探してるのはドイツゲームのお店であって、別にこんなとこまできて趣味人がどうとかいう話をしたいわけじゃないのです。

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vedes
Friedberger Strasse 7-11
Konstablerwache 歩1分

ドイツのあちこちにある玩具のデパート。 Spectaculm からの帰りにたまたま見つけたです。うーん。vedesかー。まあ開いてるのはいいことだよね。駅から近いし。確かにドイツのゲームをいっぱい売ってるのは間違いない。ただなあ。なんかこう、そういうことじゃないだろ、という気がまだする。たぶんその気分の正体は4件回って全部スカだったためにやさぐれてるだけ、ということなんだと思うのだけれど。
品揃えは典型的デパート系。ラベンスバーガーとハズブロ。無論ハンスイングリュックとかコスモスとか、メジャーなメーカーのものは一通り置いてますけど、メインはラベンスバーガーとハズブロです。なんでデパートは必ずハズブロものを大量に置いてるんでしょうか。いや、営業が強いのはわかりますけど、ドイツで Trivial Pursuit なんか売れんの?

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で。

Gamestore by Sulzer (in der Zeilgalerie)
Zeil 112-114
Hauptwache (U1 U2 U3 U4 U7, S-Bahn全て) 歩1分

やっと一軒まともなゲーム屋を発見。Zeilというのはフランクフルトの目抜き通りで、いろんなデパートだかショッピングモールがならんでおります。その一角に「Zeilgalerie」というショッピングモールがあり、このショッピングモールは一階から最上階まで全ての店が螺旋状のスロープな廊下一本に連なっている、という特徴的なモールで、というかそんなことはどうでもいいんですけど、このショッピングモールの一店舗としてゲーム屋さんが入っています。さほど広い店とはいえませんが、ドイツゲーム、ウォーゲーム、RPG、ミニチュアゲーム、日本漫画とゲーム屋五点セットをきちんと揃えており、Spielbox誌も置いてあって(ドイツだからって本屋に普通にSpielboxが置いてあるわけではないのです)、とりあえず欲しいかなというようなものはたぶん手に入ります。電車だと中央駅から乗り換えが1回生じますが、それでもあわせて2駅ですし、お土産ということならここでいいんじゃないでしょうか。
ドイツゲームに限って言うと、品物の量はそれほど多くなく、ですのでレアなものもそんなには置いていないのですが、中古で(新品と全く同じ顔をして売ってますが、中古だけあってちょっとぼろくなってるあたりで見分けましょう)出物がいくつかあります。わたくしが行った時にはシヴィライゼーションのドイツ語版(Piatnik社)とエイジオブルネッサンスのドイツ語版(Descartes社)が置いてあり、安かったのでついエイジオブルネッサンスを購入してしまいました(20Euro)。
このショッピングモール自体はたぶんハイティーンあたりを中心客層として設定しているんだろうというような店構えで、とりあえずハイティーンっぽい服屋とか飯屋とかいろいろ集めてみましたという感じなんですけども、言うまでも無くハイティーンというのは複雑なカースト制度によって分断された世界なわけで、ハイティーン服屋に出向く人々とハイティーンGAMESSTOREに出向く人々というのは全然違う人たちなんじゃないだろうか、それともドイツではそのへんのゾーニングは適当なんだろうか、とちょと疑問が生じたのでした。(www.zeilgalerie.com)

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by Taiju_SAWADA | 2005-05-15 00:31 | 雑題

マナーからルールへ:追記

※意味の無い長文になってしまいましたが、前回の文章の追記として意味があるのはたぶん最終段落だけです。他の部分は前回の文章と関係あるようなないような。


とはいえ、じゃあお前は暗黙のルールのようなものの存在自体を認めないのか、ルール書くときに全部注釈付けるのか、というと全然そんなことはない。という時点で一貫性の欠片もないんですけども。

ということで、失われた一貫性を求めて、どこを基準にしているのか見つめる個人的な旅行に出てみることにします。


・他人のカードを覗き見てはならない

ルールがこの文を省略していた場合、たぶん、殆どの場合は(殆どの人の場合は、ではなくて、わたくしの場合は殆どの場面で、という意味です)自分の中での暗黙ルールとして「~ならない」を採用すると思います。採用していない人と一緒にゲームをしていた場合どういう態度をとるかというのは予測にしかなりませんけど、たぶん黙って自分の手札をがんばって隠そうとするだけでそれ以上のことにはならないでしょう。しかもちょっと嫌な気分になったりとかしながら。二者の俺ルールが微妙な感じで衝突しないままなんとなくやりきれない気分を抱えて進んでいくというのは悲しいことです。少なくともこのケースでは衝突したほうが面白い。「手札管理を伴うゲームでは自分の手札を他人から覗かれないように管理するのは個々の責任において行うべきものであって、その管理状態の良し悪し・あるいは管理状態の悪さを突くという行為は当然のようにゲームの技量のうちに含まれる」とか主張してくれたりするとゲーム本体そっちのけになるかもしれないくらい楽しそうです。
じゃあ何でそんな楽しげな主張を自分自身のものとしては採用しないのかというと、まあ慣習的にというのもあるんですけども、それ以外の理由としては、「手札を何としてでも覗き見たいとがんばる人がでてきた場合、ゲームの半分以上は頑張り具合を試すだけのものになってしまって、他のルールとの整合性が全然取れない」というところでしょうか。ですので、ゲームによっては、必ずしも覗き見の禁止を強いルールとして持たせる必要はないんじゃないかな? と思うこともあります。具体的にはギャンブルゲームとか。


・山札を勝手に捲って中身を確認してはいけない

ここまで奇矯な行為になるとさすがに実地では起こりえない気もしますが、しかしルールにおいて省略されていた場合に「なんでダメか」を説明するのは案外難しい。基本線としては、山札が伏せて置いてあるとルールに書いてある場合、それはそのまま、ルールに書かれている以外の手段で山札を開けてはならないことを意味しているからだ、という方向で行きたいと思います。任意に中身を確認できるということは山札が全て開けられている(単純にひっくりかえしただけだと「1枚目だけ開いている」というのと区別がつかないんで、ひっくり返したうえで一列に崩すという状態を指す必要がありますが)のと同じことであり、ルールにおいて山札の記述がそういう「開けておく」というようにはなっていなくて「伏せ山にしておく」となっているということは、つまり山札を勝手に開けることはできないというルールを指し示しているのだ、という感じ。でもこれって理屈としてはかなり微妙で。ある種のゲームについては、「勝手に捲るのを有りにするとゲームそのものが成り立たなくなるから」という一言で終わらせられるんですが、そうじゃないような「それはそれであり」というものだった場合は。うーむ。


・勝利、または順位点が設定されている場合は獲得順位点の最大化を、自らの主観のもとでを目指さなくてはならない

いきなりレベルが違う話を持ってきてるような。実は必ずしもこれを前提と置いていないで遊んでいるケースは少なくないんじゃないかと思いますが、一応みなさんそうするふりくらいはしないといけないことになっている前提、ということでいいんでしょうか。理由付けとしては、そうしないとゲームが想定どおりに機能しないから、ということになるでしょうか。逆に言えば、一部のプレイヤーが離脱してもゲームが全体として機能するならどうでもいいんですけど。全員がきちんと上記の前提を持っていると機能しなくなる糞ゲームについてはどうでしょうか。ゴミの日に出しちゃえばいいんじゃないでしょうか。


・ゲームの外側の事項、具体的には社会的地位や人間関係を、ゲームの内側でリソースとして使用してはならない

またレベルが違う話ですが、これはさすがに理由なし無条件の前提とさせてくださいお願いします。誰に懇願しているのか。外側と完全に切れた世界に自分の意思で突っ込むからこそのゲームなんですよう。


・勝手に手札を交換してはならない

脱線がふたつほど続いたので話をもとに戻しましょう。手札、に限らずですが、自分の管理対象となっているリソースを他人と融通しあってはいけない、というもの。ルールにおいて記述が省略されていた場合、わたくしの俺ルールでは、ルール作者に対して一定の文句をつけた上でですが、リソース交換の禁止を採用します。また、プレイヤー色の採用などにより、一人のプレイヤー専用のリソースであることが指し示されていた場合は、文句をつけることなく自動的に採用します(ほんとは他プレイヤーのリソースを自分で操作するというゲームは充分に成り立つはずなので、自動的には採用できないはずですが)。逆に金銭などの明示的な全てのプレイヤーに共通のリソースが存在している場合は、一応の俺基準としては採用するものの、ルールとまでしていいかどうかはかなり悩みます。
コントラクトブリッジっぽいカードゲームがあったとして、たとえばカードを誰かから貰うだけ、みたいなやりとりを認めてしまうと、ゲームのルール全体に不整合を起こしてしまうので、ああこれはつまりそういうことは無しという前提で作っているんだな、とわかります。しかし交換となると。別に不整合は起きないし、ゲームとしても取り立てて問題なく成立する。実際にはトリックテイキングならば、このジャンルは過去の資産にはっきりと寄り添ったものなので「明示されていない場合は過去のトリックテイキング標準ルールを参照のこと」で終わらせてしまえそうなのですが、そうでないゲームだとどうなるのか。
でもって、最初の例として出した「自分の手札をみせびらかしていいのか?」というお題に最も近いのは、いままでに掲げた5つの中では間違いなくこれなんですよね。自分のものとして与えられたリソースをどのように管理するのか、という話で、更に言えば、認める・認めない、どちらの立場をとってもゲームとしては成立して、他のルールとの整合性にもとりたてて問題が生じることは無い。


そうすると二者を分けるものはなんでしょうか。

1) 無い。

ので、各行為につき(明文化された・あるいは暗黙の)ローカルルールを定めておきます、という立場。本来これはマナーとは違う、あくまでローカルルールとして扱われるべきものの筈ですが、マナーとルールを区別しないことにより困るケースってそんなに多くは無いので仕方ないのでしょう。というより、区別がされていないことによって困るのは、当の区別しないで扱っている人々じゃなくてそこに直面する「区別する人々」の側なので。

2) ゲームの性質の変化によって区別される。

ゲームのルールから、そのゲームが志向していると思われるジャンルを推測し、そのジャンルからの差分量をもって暗黙のルールを考える立場。手札交換を有りとした場合、ゲームに大きな交渉要素が導入されることになります。元々のゲームが交渉を志向していないと思われるものであれば、暗黙のルールとしては交渉要素を導入できない、ということになります。手札の公開についても同様。元のゲームのルールから整合性を気合で読み取りましょう、ということです。問題は当然、読み取った結果が全員一致するとは全く限らないことで、衝突が起きるとルール解釈論争が始まります。

3) 行為がリソースを動かす度合いによって区別される。

ゲームにおいて用いられるリソースをどれくらい動かす行為か、という点から仕分けを行う立場。たとえば、手札交換・手札公開と、他にも口先交渉とか発言(独り言)とかを考えて、「他プレイヤーの合意を必要とするか否か(必要とするほうが大きい行為)」「ゲーム上の明示的なリソースを動かすものか否か(動かすもののほうが大きい行為)」という二軸を取ると、手札交換が一番大きい行為であり、独り言が一番小さい行為ということになります。で、一定の大きさ以上の行為は無し。この立場の問題は軸の取り方と閾値の二つ。

4) 行為の過失可能性によって区別される。

過失可能性というのは今作った言葉です。同じ行為を故意ではなく過失によって行えるか否かによって区別を行う立場。カードを故意でなく過失でうっかり落としてしまって他プレイヤーにばれてしまう、というのは有り得る(よくある)ことなので、故意によって同様のことを行うのも認める。手札を交換するというのは過失によっては起こりえないと判断できるので認めない。判断基準としては他のものよりは明瞭といえます(明瞭ならいいのか、という話は別にして)が、それでも重過失を認めるか否かという話は残り、そして重過失とは何かという方向に話が進むと止まらなくなります。


まだあるかな。手札公開と手札交換の違いに関してだけでも可能な立場はたくさんあります。わたくし個人の立場は、前回の内容のとおり[2]なのですが、全員が同一の立場をとる場合でも、個々のゲーム・個々のルールに関する解釈の違いによって揉めることは普通にあり、立場そのものが異なっている場合には、相手の主張の内容の意味がわからない、というレベルにまで断絶が広がってしまうことも充分に考えられます。


そろそろ旅行から帰ってこれなくなりそうなので話を無理にでも切り上げたいと思いますが、そもそも何の話をしていたのでしょうか。ルールに書いてない部分の解釈の話でしたか。えっと、とりあえずルール作者の方々(他人事では全く無いが)に関しては、重要なルールくらい書いとけと。特に交渉関連と所有リソースの管理の部分はいくらでも揉める余地があるので精密に。それはそれとして書いていないルールについては、結局のところどちらの側も俺デフォルトルールを当然としていて、その怪しさについては気づくまでは考えてもみないでしょうから、実際に衝突が起きてはじめて問題の所在を認識するということになるのは仕方ない。但し、衝突が発生した時点では問題は顕在化しているわけですから、場所固有のローカルルールを、全ての場所と状況においてプレイヤーが道徳として遵守すべきものとしてこの段階で主張されると、これは相手側の立場の一切が無視されている訳で、やはり少々悲しいものがあります。ローカルルールはローカルルールとして、「この問題については複数の立場が選択可能であり、ここではこういう立場が共通のものとして選択されている」という話であれば、別に何も厄介なことはないのですけれども。
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by Taiju_SAWADA | 2005-05-04 13:46 | うわごと