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レビュー未満。

きちんとしたレビューの形に整えようと思って先に草稿だけ書いて内輪向け掲示板にメモしておいたものの、時間がずいぶん経ってしまってゲーム内容をすっかり忘れてしまいすでに整形が不可能となってしまいましたとか。勿体ないのと時間もないししばらくサイトの更新も(まっとうなネタでは)できなさそうなんでいいや上げちゃえ。

そんなわけでレビューの質は低いですが、まあ生きてます通信ということでお目こぼし願いたく。申し訳ない。


「ミケリノス」Ystari
YstariGamesの第三作。前作のケイラスがいかにも新興メーカーの勝負作という解りやすいゲーマーズゲームだったのに対して、最新作はウェルメイドな小品という「お前んとこでそれ出す意味あるのか」と問い詰めたいブツを出してきました。
しかし完成度はかなりのもので、SdJとかDSPとかに普通にノミネートされたり一着取ったりしてても何の違和感も感じないでしょう。ゲーマー向けにウェルメイド志向をアピールする(九十年代前半のファミリーゲームの枠に難易度上は回帰しつつ、そこにゲーマー好みのワンポイントを差し込む)というのは今年のSdJ作品「郵便馬車」と全く同じ方向で、もしかすると最近の流行なのかもしれません。その観点で言えば、実はこっちのほうが「郵便馬車」よりもうまいことゲーマー向けに仕上げています。ルールの単純さは同程度か少し少ないくらいで、その上でカード引きの運に左右される部分を可能な限り抑え技巧で決まりそうな雰囲気を形成しています。逆にSdJ向けという視点で考えると、テーマ的にどうしようもなく乾ききっててあまりにシステムが露骨すぎるんで、うまく主題とルールを合わせている郵便馬車に軍配があがるとも言えますけど。
というわけで面白いです。が、そこに未来があるのか、という話になるとちょっと微妙かなー。テーマ性が無い時点で大向こう受けは期待できないし、このサイズでゲーマー向けならもう少し弾けててほしいんです。良くできてる。実に良くできてる。そこで終わって良いのか? と。まあ高水準のゲームに対してだけ成立する贅沢な批判ですね。
★★★(★★★☆寄り)
※ミケリノスは遊んだのつい最近なんで内容覚えてますが、きちんと書こうとするともう一ゲーム要るなー、でもそこまで待ってたらまた忘れておしまいだなー、というのが書きかけで上げた理由です。

「アウグスブルグ」
Chinatown以来7年ぶりとなるHartwig第二作(と思ってたけど実はその間に共作が一個あったらしい)、は風変わりな要素を用意しつつも総体としてはウェルメイド気味にまとめた競りゲーム。得点要素を積み重ねてラウンド単位で決算、得点要素は持ち越しなので得点は累積的に積重なり、ただし得点要素の数は有限でありなくなったらおしまいではなくて無くなったら他人から奪えるという仕組みがあって油断できません。というのが一つと、もう一個は特徴的な競りの仕組み。同一スートのカードn枚だして最大値比較、という方式ですが、枚数は任意ではなく、全員の意見の一致、というかレイズコール方式で決定されるので、弱いカードいっぱい持ってる人は何枚で勝負すべきか(大きい枚数でレイズすれば確実に勝てるけどもったいない)悩んだりします。
ルールは最小セットではないものの比較的コンパクトにまとめられてるんですが、ただこのゲームはもう少し膨らませてもよかったんではないかと思います(すごい珍しいことをしゃべってる気がする)。カード取ってくるところでどうしても運が強くなっちゃうですが、このゲームの本来ということで言えばもうちょっと操作感が強いほうがいいはず。つまりはゲーマーズゲーム(というほどきつくもないけど)として仕上げようという意図が見えるんで、それなら、ということですね。
でもよいゲームです。
★★★

「テクノウィッチ」
コスモスの昨年末のゲーム。作者はたぶんこれがデビュー作。アナログ距離を使うアナログレースゲームで、要は全然真っすぐ飛ばない方向指示器をなんとか使い分けながら障害物にぶつからないようにちゃんと進みましょう、というものです。
こういうシステムの場合、プレーにストレスをどれくらいかけるか(フラストレーションがたまるレベルまでいっちゃうと問題だけど何もないのもねえ)というのがすべてになるんですが、意思決定(一気に進んで距離を稼ぐかちびちび進むか)を絡めながらうまく作ったなと思うわけです。ちびちび進むのは必要な場合(あります)を除いては、遅いという以上に苛々するんでやりたくない。一気に進むのはフラストレーションをちょっとためてから一気に解放、というかたちになるんで、失敗さえしなければ(障害物にさえ当たらなければ)何処に行こうとそれなりに気分がよろしい。アイデアに対して実装が過不足なく纏まってて実によくできましたという印象を持ちました。
★★★☆。

「郵便馬車」
日本ではついこないだ出た新作。作者はSeyfarthで、つまりは「プエルトリコ」の人ですね。とはいえこのゲームにプエルトリコ的な要素は全くなく、むしろ同作者のもうひとつの代表作「マンハッタン」のつくりに近いです。
都市カードを引いてマップ上をつなげていくという内容で、良くも悪くもクラシカル/ミニマルな印象を与えます。良くも、というのは特殊要素を一切混ぜない思い切りの良さと余計な時間延長要素を加えない清々しさ、悪くもというのは結局引きが悪けりゃどうにもならんじゃない?というファミリーストラテジーの限界をそのまま引きずってるところが。でもまあ無難に誰にでも勧められるゲームなのは間違いありません。
そういう意味では近年のメガヒットTicket to Rideと同趣向と言えますが、個人的には
あれよりこっちのが好きです。いやまあ、Ticket to Rideに比べれば難易度はだいぶ高いですけどね。この二つを似たような物と言い切ってしまうのは何か毒されているかもしれない。
★★★

「ハチエンダ」★★★☆ 面白いです。ちょっとクラシカルすぎる気はしますが。
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by Taiju_SAWADA | 2006-08-31 01:24 | 感想・紹介

メモ(TODO)・勉学について・マニフェスト

またTODO。だいたい放置される運命にあります。特に今回は既に三年以上放置していたテーマ。ならTODOとか書かない方がまだいいんじゃないか。でも書かないとなー、という意思はあるのよ本当。信じて。僕は信じないけど。

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ゲーム理論を筆頭にしてゲームっぽい感じの理論というのはいっぱいあって、それぞれいろいろと面白いのは確かなんですけど、一点残念なのは研究者の人々はそれぞれの必要というか需要というかそういうものに対処すべく研究を行っているので、「ボードゲームが好きなんですー」というような人たちのことは考慮してくれないんです。例を挙げると投票行動絡みの理論があって、その理論の中で割と重要なトピックとして「自分が思っているのと違う候補者に票を入れることで【不当に】得をするやつが出てこないか?」というのがあるんですけど、これ我々から見ると興味の方向が逆じゃないすか。どれだけ不当に面白い事ができるか追求しないと。公平性なんてどうでもいいよ!

でも一からボードゲームの人たちのための理論を立てて考えていこうといっても労力ばかりかかって得るものがなさそうだし、だいたいどこから手をつけていいものやらわからない。「面白さとは何か」。確かに最終的にあらゆる側面から見ていきたいのはそこなんですけど、そんな抽象的なところからスタートしても、結局カイヨワの本(*1)から一歩も先に出られなくなりそうな気がします。

ということでどうするかというと、しょうがないんで既存の理論をこっちの興味に引き直しつつ読んでいくしかないんでしょうね。(こっちにとって)どうでもいい所は派手に飛ばして、逆に著者がスルーした面白げな部分は拾って自分で展開してみる。第一のキーワードは当然「面白い」ですが、これは読者の好みによっていろいろと話が割れちゃいそうでもあるんで、より使いやすい第二のキーワードも設定しておきましょう。さっきも出てきた言葉ですが「不当」。社会工学の人々は意外なことに社会正義に燃えているのでありとあらゆる所に不当を見つけては叩き潰す作業を好みますが、我々はありとあらゆる所に不当を見つけては鍵爪か何かでこじ開けて様々な愉快を発見しないといけません。

(*1) 「遊びと人間」(講談社学術文庫)。定番中の定番。面白いしゲーム好きなら割と気楽に読める本なので未読のひとはぜひどうぞ。ホイジンガ「ホモルーデンス」(中公文庫)とセットで読むとより楽しめます(ホモルーデンス→遊びと人間、の順番がおすすめ)。

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なお、この文章が第一に想定しているのはオークション理論。オークションにおける価格付けと、それを前提にしたオークションルール設計に関する理論です。なんて素敵な学問なんだ。Kniziaファンとしては最早避けて通れない領域と言えよう(といいつつ三年間通り過ぎ続けてきたのは前述の通り)。
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by Taiju_SAWADA | 2006-08-11 00:15 | 雑題