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キングス・ジレンマ第一印象 …それで何がそんなに好きなの?

The King's Dilemmaという作品があります。Hjalmar HachとLorenzo Silvaの共作で、どちらも私は知らなかった作者ですが、Silvaのほうは『ポーション・エクスプロージョン』の共作者でもあり、これはプレイしたことがあります(とても褒められた出来のゲームではないんですが、それは関係無いので脇に置いておきましょう)。2019年の作品で、Horrible Guildというイタリアのメーカーから出版された後、ドイツ語を含む各国語に翻訳され、2020年のKennerspiel Des Jahres、いわゆる黒ポーンにノミネートされています(これを書いている時点では賞の最終結果は未発表)。お誘いをいただいて少し遊んできたので※、受けた印象などをメモしておきたいと思います。

※この作品はキャンペーン方式を採用しており、「キャンペーンを通じて、各プレイヤーがそれぞれ1つの公爵家または侯爵家を担当。個々のセッションでは、その家に属する1人の人物としてプレイに参加する。1セッションは約1時間、15セッションくらい遊ぶことでキャンペーンのグランドフィナーレを迎える」という形になっているんですが、第3セッションあたりから入って6セッションほど遊ぶ、という、この作品のプレイとしてはだいぶ行儀の悪い入り方をしております。

さて、このメモにおいて、The King's Dilemmaに対してここまで「ゲーム」という単語を用いるのを避けてきました。というのは、この作品、いわゆるボードゲームではないんですね。イェスパー・ユール『ハーフリアル』をお読みの方であれば(読んでね!)、「古典的ゲームではない」という言い方のほうがわかりやすいかもしれません。ボードゲームっていうのはふつう、「勝ち」とか「負け」とか、「1位」や「3位」とかでもいいですけど、そういうものがあって、そうでなかったとしても点数みたいのがついてます。で、「勝ち」は「負け」よりも当然好ましく、あるいは点数制のゲームなら「プラス42点」は「プラス35点」よりも好ましいのであって、もちろんプレイヤーはより好ましいほうを目指してプレイするのが大前提になっています。

この作品はそうではありません。まず、最終的に自分が担当する公爵家または侯爵家が何をすれば「勝った」ことになるのかは、ある程度ほのめかされているものの、明示はされていません。というか、そもそも「勝ち」という概念があるのか自体、定かではありません。キャンペーンを通じたプレイ指針として、「セッション中にこの条件を達成すれば、次のセッションからはこの特殊能力が貰える」とか「【セッション中にこの条件を達成する】を3回やれば、家の《名声》値がこれだけ上がる」とかは用意されているものの、その《名声》値を上げることが何を意味するかは、担当する家についてのフレーバーテキストその他セッション毎に次々出てくるテキスト群から予想するしかありません(勝利条件の予想に必要なわけですから、これを「フレーバー」というのは本当は不適切ですね)。

一方で、セッションごとのプレイヤーキャラクターには、勝利条件が明白に設定されています。国のパラメータが「富」とか「軍事」とか6種類あって、セッション中あがったり下がったりするわけですが、最終的に「一定値《以上》になっているパラメータが1種類あるごとに得点」とか「一定値《以下》のパラメータが1種類あるごとに得点」みたいな感じに得点条件が設定されているキャラクターカードが6枚あり、ここから『フェレータ』とか『あやつり人形』みたいな感じで各プレイヤーがそれぞれこれを1枚受け取ってセッションを始める形になります。そしてセッション終了時には各自そのキャラクターカードの条件に従って得点精算を行い、最も得点の高いプレイヤーの家は《名声》値がこれだけ上がり、二番手のプレイヤーの家はこれだけ、みたいなことをやります。

ならばとりあえずセッションではそのキャラクターになるわけだからその勝利条件でやればいいのか、というと、もちろんそうしたっていいんですが、そうしない理由もいくらでも見つかります。まず何より、キャラクターカードの勝利条件と、担当する家の方向性とは、必ずしも一致しません。なにせ家は固定なのにキャラクターカードの選択は『フェレータ』式ですから。いや家の勝利条件は明示されてはいませんが、それでもプレイ指針はありますし、フレーバーからも推測はできるわけで。加えて、このキャラクターカードなるもの、テキストによるフレーバーがほとんど付いていません。プレイヤーが担当する公/侯爵家にはキャンペーン開始時に名前を付けることが義務づけられるのに対して、キャラクター個人には固有名すら与えられません。The King's Dilemmaにおいてフレーバーが付かないというのは、そのまま「重視しなくてもよいもの」ということを意味しています。つまりここでは、ボードやチットやカードがいっぱい入った「ボードゲーム」としての見た目との関連では最も重視されるべき(かつ一応ルール上もそのようには扱われている)セッション毎の勝利条件に、同時に「重視しなくてもよいもの」というラベルが貼られていることになります。

勝利条件が必ずしも重視されないということ自体は、パーティーゲームなどではよく見られることではあります。ですがほとんどの場合、その「重視されない」というのは、勝利を目指すという体裁をプレイヤー達が取りつづけることによって産まれる齟齬のおかしさを狙ったものだったり、あるいは単にゲームという体のために勝利条件が付いているものの実際にはそれよりも明白に重視されるべき目的が用意されているものだったりします。The King's Dilemmaはそのどちらにも当てはまりません。ここでは、プレイヤーに与えられる勝利条件/価値設定が混乱しており、それはもちろん意図的なデザイン…というか、このゲームの眼目になっています。

プレイヤーに与えられる勝利条件/価値設定がシステムにおいて意図的に曖昧にされている遊び、といえば、代表的なものとして思いつくのはもちろん卓上RPGです。実際、この作品をどのジャンルに結びつけるべきかと聞かれれば、とりあえずは卓上RPGとするのが妥当でしょう。ただし、これはもちろん典型的なRPGではありません。典型的なRPGというのは、Role-playingの名の通り役割演技を行うもので、さらに言えば、通常はその役割というのは個人、つまりキャラクターです。キャラクターとプレイヤーの間に距離を取らせる、つまり例えば「キャラクター自身の損得や感情よりも作劇上の要請をプレイヤーは優先すべき」と明白に掲げるRPGってだけでも割と少数派ですが、その個としてのプレイヤーキャラクターそのものが曖昧にされているとなると、これはかなり特殊なRPGだということになります(実のところボードゲームではごく普通のことだとは言えるんですが、ボードゲームの場合は意図的にやってるわけではないです)。RPGを構成する諸々の要素のうちの何かを再検討し、それを極端に強調したり逆に取り外してみたり別の物に置き換えたりする、というのは、卓上RPGの中でもメインストリームではなくインディペンデントに出版されている作品に見られる特徴で、なのでそういう作品は「インディペンデントRPG」と呼ばれることもあります(絵画のモダニズムに引っかけて「モダンRPG」のほうが適切な名称じゃないかと思いますが)。

The King's Dilemmaを気に入ったのは、まず第一にはこの点です。これは別に良し悪しの話ではなくて単に好き嫌いのレベルのことなんですけど、わたくし卓上RPGが基本的には好きなんですが、プレイヤーキャラクターがプレイヤー…っていうかわたくし…にべたべたくっついてくることに嫌悪感をおぼえるタチで、これまでプレイヤーとプレイヤーキャラクターの間に距離がある作品ばっかり遊んでたんですね(それこそ『パラノイア』とか)。そこいくとThe King's Dilemmaの場合は、自分が誰であるのか、名前すら決まっていないわけですから、意思決定以外の点ではほとんど負荷を感じることなくリラックスして遊ぶことができます。

距離のおかげでリラックスして遊べるというのは、ストーリーとプレイヤーとの距離、という点でも同じことが言えます。ほとんどの卓上RPGがストーリーをテリングするゲームでもあるように、The King's Dilemmaも当然、ごりごりのストーリーテリングゲームではあります(この作品の惹句で「大量の封筒に大量のカードが入った《レガシー》スタイルのゲーム」というのがありますが、この大量に入ったカードというのは要するにRPGで言うシナリオが書かれたテキストで、レガシーというのは適切な表現ではなく、単にゲームマスター無しでキャンペーンシナリオ的なことをやるので先がわからないようにシナリオ分岐ごとに別の袋にシナリオカードを入れてるだけです)。ただ、そのストーリーの提示の方法が、フィクション上の構造としてもシステム上の構造としても少々独特です。まずフィクション上の構造ですが、プレイヤーキャラクターは全員、国の王を補佐する宮廷メンバーで、次々に持ち込まれてくる下々のよしなしごと…おおごとになる場合も往々にしてありますが…に対し、こうすべきかああすべきかの2択を協議と交渉と投票で決める、でもって結果を眺める、それだけです。要は、プレイヤーキャラクター達は、それが誰であれ、現場にはいないんです。どっちにしろ自分が直ちに死ぬわけではなく、そもそも合議で国としての意思決定を行うのであって、自分に意思決定の全責任が直ちに襲いかかるわけでもない。そしてシステム上の構造ですが、宮廷は1つの太いシナリオに対してだけ対処しているわけではなく、複数のシナリオが同時並行的にやってきます。で、その同時並行性がどう表されているかというと、何枚もあるシナリオカードがシャッフルされてデッキになり、毎ターン、1枚ずつ上からめくられる、という形になっています。あるターンに隣国の王位継承に干渉するか否かの深刻な意思決定を強いられたかと思えば、次のターンには海洋冒険家に投資するか否か、みたいな全然関係無い話がでてきて、ひとつの案件に没入できないようになってるんですね。

いや距離感はいいんだけどさ、ストーリーテリングゲームでそんな感情移入できない仕組みになってるんだったらどこを遊びどころと考えればいいわけ? という真っ当な疑問に対しては、2つの回答が用意されています。まず1点目、シナリオは刺激的で面白いです。いや別に、小説や戯曲として成立するとか言いたいわけじゃなくて、宮廷メンバーの意思決定の議題として妥当なヘヴィネスと対立があり、意思決定の結果の転がり方も意外性と納得感と酷薄さがちょうど良い案配でミックスされていて、この話どうなるのかな/俺はどうしたいのかな、とプレイヤーの興味を持続させるのに充分だ、ということです(ところで俺『パンデミック・レガシー シーズン1』を10月で中断したままなんですが、あれって最後の2ヶ月で話が面白くなったりしますか?)。もう1点が意思決定のための投票システムで、子細は省きますがこれが非常に良くできてます。The King's Dilemmaはボードゲームとして見れば投票ゲームのジャンルに属するもので、投票パワーを突っ込んだり金で他プレイヤーを買収したり、みたいなことをやるんですけど、パスと終了のルールにひねりがあるんで、多数派の形成に際して割と真面目に考えることが要求されます。それで、ここで頭を使って国を導きたい方向に導けると謎の充実感が湧いてきたり、あるいは競り負けて望まない意思決定が行われた結果として国が予想を遥かに上回る傾き方をしたりすると根拠のない義憤が吹き出てきたりします。

何より面白いのは、この情動には一切の根拠がないんです。

ここでやってることはボードゲーム的な手続きと意思決定からもたらされる情動かもしれないのですが、しかしそこに絶対に必要なはずの明瞭な勝利条件/価値設定は用意されていません。あるいは物語がプレイヤー自身の価値観をフックしているのかもしれませんが、それにしてはプレイヤーの情動を託すべきフィクション上のキャラクターの存在感はあまりにも希薄です。ここにあるのは何物としても成立しないはずのメカニズムとフィクションのキメラで、しかし間違いなく、これは遊びとして成立しています。

ボードゲームをデザインする中で、「何を削っても遊びとして成立するんだろうか」みたいなことを考えたことがあります。4Xゲームのルールのことあるごとに「この点については合議によって決める事」とだけ書かれていたら。精緻に組み上げられた文明発展ゲームに、勝利条件だけが欠けていたとしたら。こういう思考実験は無駄と言えば無駄なことかもしれませんが、しかし我々は既に、ウォーゲーマーが産んだ卓上RPGという巨大な実例を知っています。そうであるが故に、このような奇妙な構造で成立している謎のプレイシングを提出されると、受け取った側としてはこれを批評的実作と捉えて興奮せざるを得ないわけです。

# by Taiju_SAWADA | 2020-07-05 01:21 | 感想・紹介

Eugen OkerのFür Spielerファーストシーズンだいたい全作品

かつてEugen Okerという人がドイツにいました。基本的には作家なんですが何だか色々やってる人で、とりわけ西ドイツ最初のゲーム批評家として知られています。この人が1964年の秋、ドイツの週刊新聞Die Zeit紙にゲームについて書き始めたのがドイツのゲーム批評文化の始まりとされているらしく、その後すぐ彼はこの新聞に「Fuer Spieler」(ueはuウムラウト)という連載を始めることになります。この連載はファーストシーズンが1964年末~1965年夏まで、以降は晩秋~年末にかけて数回のレビューが毎年載る、という形で1970年まで続きました(※)。ここでは、その連載のファーストシーズンにおいて、彼がどのようなゲームを紹介したのか、作品のリストを載せておきたいと思います(時間ができたら短期集中連載における作品リストや、連載外で書かれた記事についても読んで紹介したいなーと思ってます)。

なお、Die Zeitは現存する新聞で、しかも有料会員向けに古い記事のアーカイブを検索できるようにしてくれています。以下の情報は会員になって取得した記事に基づきます。

※(追記)Eugen Oker公式サイトの記述では1971年までとなっており、実際、1971年にも彼の筆によるFuer Spielerが1本、Fuer Spieler以外の記事が2本載っています。ちなみに、Fuer Spielerはその後(ファーストシーズン終了後から?)、連載というよりはDie Zeit誌のゲームレビューコラムのタイトルになっています。Bernward Tholeによるレビューが1973年に2本載っており(Tholeによれば投稿した文が載ったもので、ゲームレビュアーとしての彼の最初の文章とのことです)、またTom Werneckも1975年から1979年まで同紙で同名のゲームレビューを書いています。

1964, no.50
- Wer wird Meisterdetektiv? (Schmidt)
= Cluedo.

1964, no.51
- Die Schlacht am Metauro (Hausser)
= Batalla del Metauro. 1963年スペインのウォーゲーム. https://boardgamegeek.com/boardgame/14985/batalla-del-metauro

1965, no.03
- 7 neue Spiele (Otto Maier)
= 不明(オークションに出ているので写真はある)。

1965, no.05
- Jet + Boccia (Mieg)
= 不明(オークションに出ているので写真はある)。
 人形に球をセットして転がし、目標の位置に近づけるタイプのゲーム。JetとBocciaの2つのルールがある模様。

1965, no.06
- Bus Stop (Noll)
= Peter Pallat(ドイツ人)による1964年のゲーム。
PallatのゲームはBGGにも10作程度登録されている。代表作はおそらくJungle(1981年。Spear's社)かScalino(1970年。後にAbacusから復刻)。
https://boardgamegeek.com/boardgame/94054/bus-stop

1965, no.07
- Memory (Ravensburger)
= 説明不要。
- Ecco
= 不明。出版社Abel-Klingerについては、BGGにも登録されているゲームが多数ある(後の号でも出てくる)。

1965, no.08
- Monopoly (Schmidt)
= 説明不要。

1965, no.09
- Scrabble (Spear's)
= 説明不要。
- Das Duden-Spiel (Otto Maier)
= 不明(オークションに出ているので写真はある)。
 ワードゲーム。https://www.spiele4us.de/Otto-Maier-Verlag-Ravensburger/Gebrauchte-Gesellschaftsspiele-Grundschulalter-ab-6-7-8-oder-ab-9-Jahren/Das-Duden-Spiel-OMV-6203-gebraucht.html

1965, no.10
- Hans Gygax の絵本の紹介。ゲームではない。

1965, no.11
- Dot (Kleefeld)
= 1963年のゲーム。賽の目に従って盤上の色つきドットの間に線を引いていく。
Kleefeldは後のKlee(Kosmosにより吸収)。 https://boardgamegeek.com/boardgame/305269/dot

1965, no.13
- Öl für uns alle (Otto Maier)
= 1960年のゲーム。モノポリー式にぐるぐる回って石油掘り。 https://boardgamegeek.com/boardgame/12237/oil-great-adventure

1965, no.14
- Risiko (Schmidt)
= Risk.

1965, no.15
- Der Favorit (Franz Xaver Schmid)
= Der Ausreisser. 1989年版が有名だが元々は1963年仏Miro社のゲーム。
 この1965年FX Schmid(まだ旧社名)版はBGGに登録されていない。 https://boardgamegeek.com/boardgame/923/breakaway-rider

1965, no.16
- Schöne alte Spiele (Otto Maier)
= 古い伝統ゲーム27種類の詰め合わせ。 1963年発売。 https://boardgamegeek.com/boardgame/12499/schone-alte-spiele

1965, no.17
- Mich laust der Affe (Abel Klinger)
= 1964年。動物が木に登るすごろく。通過した駒をスタート位置に戻せるとかなんとか https://boardgamegeek.com/boardgame/159875/mich-laust-der-affe
- Everest (Schmidt)
= 不明

1965, no.18
- Das Jagtspiel (Otto Maier)
= 1954年。サイコロを振って狩りにでかけるゲーム。 https://boardgamegeek.com/boardgame/25271/das-jagdspiel

1965, no.20
- Umleitung (Spear's)
= 車を走らせて目的地に行くゲーム。 https://boardgamegeek.com/boardgame/229189/umleitung

1965, no.21
- Reise in die Ewigkeit (Schmidt)
= このゲーム自体は不明。同名の20世紀初頭のゲームがあり、それはマンションオブハピネスみたいなゲーム。

1965, no.22
- Conference (Mieg)
= マンカラ的なやつ。 https://mancala.fandom.com/wiki/Weikersheim_mancala_boards

1965, no.23
- Carrera (Schmidt)
= ルーレットを回してカレラを進めるレースゲーム。 https://boardgamegeek.com/boardgame/157184/carrera
- Nürburgring (Schmidt)
= Formula-1. 1962年イギリス(ではなく本当は仏Miro社だったはず)の大変有名なゲーム。このドイツ版がいつ出たのかは不明。
- 1000 Kilometer (Franz Xaver Schmid)
= ミルボーンズ(1954年)。

1965, no.24
- Europareise (Otto Maier)
= 1954年。定められた目的地に諸々の交通手段を駆使して辿り着く、うっすらエルフェンランドみのあるゲーム。
https://boardgamegeek.com/boardgame/2484/explore-europe

1965, no.25
- Stratego (Jumbo)
= 説明不要。

1965, no.26
- Mah Jongg (Schmidt)
= 説明不要。

1965, no.27
- Die große Auktion (Otto Maier)
= 1959年。偽物とか状態の悪い物を掴まされることがあるオークション&交渉ゲーム。
https://boardgamegeek.com/boardgame/6789/die-grosse-auktion
- Glocke und Hammer (Hausser)
= たぶん19世紀のギャンブルゲーム。https://boardgamegeek.com/boardgame/18254/bell-and-hammer

1965, no.28
- Karriere (Schmidt)
= Careers. 1955年。
- Wild Life
= 似た名前のゲームが同時期に複数あるけどたぶんラベンスのこれ⇒ https://boardgamegeek.com/boardgame/2311/wild-life
- Moby Dick
= 1962年ラベンスバーガー。https://boardgamegeek.com/boardgame/22982/moby-dick-das-spiel-vom-weissen-wal
- Warum (Otto Maier)
= 1958年。MBのゲーム。https://boardgamegeek.com/boardgame/2487/why


# by Taiju_SAWADA | 2020-04-26 02:22 | 雑題

百質3rd

こんかいの設問:
https://tantramachine.hatenablog.com/entry/20190904/1567599483


Q1 ボドゲ歴は何年ですか?
 カテゴリ自体に注目して遊ぶようになってからなら20年くらい。

Q2 初めて遊んだボードゲームは何ですか?
 カテゴリ自体に注目するきっかけになったボードゲームならたぶん「エントデッカー」。
 そうでなければ「モノポリー」じゃないかと。

Q3 誰とボードゲームを遊ぶ事が多いですか?
 最近はクローズドで近しい人達と遊ぶことが多いです。
 
Q4 どこでボードゲームを遊ぶことが多いですか?
 立川B2FGames。

Q5 どれくらいの頻度でボードゲームで遊びますか?
 月2回くらい?

Q6 ボードゲームはいくつくらい持っていますか?
 たぶん大箱100ちょっとくらい?

Q7 あなたのベストボードゲームは?
 一作だけなら「モダンアート」

Q8 好きなゲームデザイナーは誰?
 カサソラ=メルクル, マック・ゲルツ、クリスティアン・アムンゼン・オストビー(でいいのかな発音)、
 ライナー・クニツィア、クラウス・トイバーなど

Q9 嫌いな(苦手な)ゲームデザイナーは?
 とりあえずアレクサンダー・プフィスター。

Q10 好きなメカニクスは?
 オークション。交渉も割とすき

Q11 苦手/嫌いなメカニクスは?
 メカニクスのレベルでは嫌いというほどのものはないです。
 ポイントサラダは嫌いですが、メカニクスとはちょっと違うものだし。

Q12 好きなボードゲームのテーマ/モチーフ/世界観は?
 特にないっす

Q13 嫌いな/避けてしまうボードゲームのテーマ/モチーフ/世界観は?
 強いて挙げれば植民もの。往々にして対象に対するデリカシーの欠如が見られるため。
 でも「避けてしまう」というほどのものでは全くないです。

Q14 人気あるけど好きじゃないゲームはありますか?
 好きじゃない、というか、全く評価できないゲームが山ほどあります。例えばQ9参照。
 「人気があり、たぶん良く出来ていると思われるが、好きとは言えない」ゲーム、となるとちょっと難しくて、うーん、「1830」とか?

Q15 お世辞にも面白いとは言えない/あからさまな欠点がある/万人受けするとは言えないけど、好きなゲームありますか?
 「(例えば作品の成立を危うくする傷があるために)高い評価は出せないが好きなゲーム」は、無い、またはすぐには思いつかないです。大概は留保を付けつつ高く評価しちゃうので。
 「高く評価しているが万人受けはまあしないだろうゲーム」なら、例えばグレートジンバブエとか。

Q16 好きだけど持ってないゲームありますか?
 好きの程度によりますが、本当に好きなもので、多少の金で解決できるものについては解決してきてます。

Q17 好きじゃないけど持っているゲームありますか?
 敢えて言えば「1830」かなあ。後で手離す気がする

Q18 好きなアートワークのボードゲームは?
「エルフェンランド」

Q19 ボードゲームのアートワークやコンポーネントをどの程度重視していますか?
 それほどは重視しません。

Q20 オサレな見た目のボードゲームは好きですか?
 どういうものを指して言っているのかにもよりますが、少なくとも嫌いってことはないです。
 「エルフェンランド」は含まれますか? ゲーム自体も割と好きです。
 「タイムストーリーズ」の箱表も好きです…が、あれ箱裏やボードまでクオリティを維持できてないですよね。なおゲーム自体は全く評価に値しません。
 TANSANFABRIKが「ルールの達人」や「Nage x Nage Portside YOKOHAMA」でやったインスパイアードフロム鈴木英人&永井博も良かったと思います。

Q21 お気に入りのボドゲグッズ、教えてください。
 特にないです

Q22 TRPGゲーマーですか? もしくは経験者ですか?
 経験者です。いまは誘われればNo-GM/No-Prep物をやります程度ですけど

Q23 TCGゲーマーですか? もしくは経験者ですか?
 中3~高1の時に半年~1年間くらいだけMTGをプレイしていたことがあります。Fallen Empire - Ice Ageくらいの時期。

Q24 ソシャゲをプレイしますか?
 ほぼしません。いちばん長くやってたもので「ゴシックは魔法乙女」を半年間くらい。

Q25 アニメやマンガ、コンシューマーゲームなどを好みますか?
 漫画は嫌いではなく時々読みです。
 アニメも別に嫌いではないですがあまり観ません。アニメがどうというより劇映画もドラマもほぼ見ないし観劇もしないので。
 昔はコンシューマーゲームについてははっきりと「好みます」だったんですが、最近はそう言えるほどやってません。3D酔いというものがあってですね…

Q26 ぶっちゃけオタクですか?
 定義によります。個人的には、2019年現在「オタク」という言葉は意味をほとんど失っていると考えています。

Q27 同人ゲーム買いますか?
 時折は。

Q28 国産ゲーム買いますか?
 時々は。

Q29 KickStarterでKickします/しましたか?
 ごく稀に。Keyperとか。

Q30 米アマゾン、独アマゾンを使ってボードゲームを輸入したことがありますか?
 Amazonに限らなければいくらでもやってますが、米or独Amazon限定となると、あるにはあります程度。

Q31 ゲームマーケットに行ったことはありますか?
 あります

Q32 ボドゲカフェに行きますか? 行く人はお気に入りのお店ありますか?
 行ったことはあります、くらい。

Q33 ゲーム会に参加するならオープン派、クローズ派?
 近しい人々がどこか一カ所に集まってゲームするのを「クローズドのゲーム会」と呼ぶのであればクローズ派ではあります。
 でもそういう質問じゃないですよねこれ。「ゲーム会を運営するならオープン派、クローズ派?」なら分かるんだけど…

Q34 実は本名を知らないけどよく遊ぶボドゲ友達がいますか?
 本名を知ってるはずだが忘れたままになってる人、ならいっぱいいます。
 本当に一回も聞いたことがない、となると、一応いることはいるかな、くらい。

Q35 ボドゲのジャケ買いします/したことありますか?
 「タイムストーリーズ」とか。本当に後悔した

Q36 初心者相手のツカミに絶対ウケる! キラーコンテンツ的なボドゲはこれ、というものはありますか?
 無い…というか、そういう意味での「初心者」という集団が存在するとも思えません。

Q37 ボドゲ未経験の初心者(ゲームを普段遊ばない人)にボドゲを遊んで貰うなら、どういうラインナップで攻めますか?
 それゲームしなきゃ駄目すか? 基本ゲームじゃない話をしたほうがいいと思いますが、
 例外的に、向こうが「男もすなるゲームといふものを、我もしてみむとするなり」的な関心を気まぐれで持ったんだとすれば、
 …それでも向こうがどんな人かで全然話が違うと思いますが…「ファブフィブ」「髑髏と薔薇」とか?

Q38 ボドゲ未経験の初心者(ボドゲ以外のゲームは遊ぶ人)にボドゲを遊んで貰うなら、どういうラインナップで攻めますか?
 「ドミニオン」「ハイソサエティ」

Q39 どういうルートでボードゲームを購入する事が多いですか?
 テンデイズゲームズで買うことが多いです。あとはeBayとか。

Q40 中古ゲームの購入に抵抗はありますか?
 全くありません

Q41 遊ばないゲームを手放したことがありますか?
 始終手放してます

Q42 スリーブ入れる派? 入れない派?
 入れない派閥

Q43 アメ(リカン)トラ(ッシュ)派? ユーロ派?
 90sユーロ派

Q44 日本以外のアジアのボードゲームに関心ありますか? 買ったり遊んだりしていますか?
 あります。北京のDICE CONとか高雄の月光卓游節とか行ったりしました。「ポンジスキーム」最高

Q45 レガシー系ゲームで遊んだことはありますか? また、レガシー系ゲームは好きですか?
 「パンデミックレガシー」が10月で止まったままです。
 やりたいことはわかるし、未來がありうるジャンルだとも思いますが…

Q46 人狼やごいたなど(あくまでも例です)の、チーム戦のゲームは好きですか?
 あんま好みません。チーム戦であることよりも「2チーム戦」であることが嫌なのかも。

Q47 一対多、一対一の陣営非対称ゲームは好きですか?
 あんま好みません。これも「2陣営戦」が嫌なんでしょう。

Q48 マーダーミステリーを遊んだことはありますか?
 ないです。あそびたい。

Q49 謎解きや脱出ゲームを遊びますか?
 誘われれば遊びます程度ですが、「Escape from the RED ROOM」はとても良かったです。お勧め。

Q50 萌え絵のボードゲームは持ってますか? 萌えっぽい絵のボードゲームを購入するのに抵抗はありますか?
 買ったことは結構あります。前述の通りひっきりなしに手放すので、いま持ってるものがあるかどうかは定かではありません。
 そういう様式の絵であること自体には抵抗はないですが、絵柄が統一されていなかったり、
 ゲームのキャラクターや想定TPOと合わなかったりするものが時折目に付いて、それは割と嫌です。
 (具体的に言うと「プリンセスワンダー」がかなり嫌でした。みんな忘れてると思いますが「ラブレター」の最初の商業パッケージだったんです)

Q51 海外のボードゲームによくある「エセジャパン」的な世界観のゲームをどう思いますか?
 全然OK…なんですが、鷹揚に構えてたらSuperdryがついったで図に乗った事を抜かしてて大変むかついたので、
 怒ったふりくらいはしておいたほうがいいのかな、とも思っています

Q52 BGGのアカウントを持っていますか? 普段からBGGを見て/利用していますか?
 持ってます。ときどき見てます。メインの利用方法は英語ルールのダウンロードとGeekmarket。

Q53 ボドゲーマのアカウントを持っていますか? 普段からボドゲーマを見て/利用していますか?
 持ってません。意識的には見てませんが、避けているわけではないので、見たいゲームの検索で引っかかれば見ます。

Q54 ゲムマ以外のボドゲフリマなどの即売会イベントに参加した事がありますか?
 DICE CONや月光卓游節、あとエッセンのSpielも即売会イベントなので、その意味ではYESです。
 日本の同人ゲームを含む即売会は、どうだったか記憶に無いです。一回くらいはあったような気もする

Q55 プレイヤーのマイ担当カラーを決めていますか? 決めている人は何色ですか?
 決めてません

Q56 トリックテイキングは好きですか? 好きな人はメイフォローとマストフォローどちらが好きですか?
 特別好きってことは無いですが、普通に遊びます。メイフォローはトリックテイキングではありませんよ…と言いたいところですが、
 「知略悪略」とか嫌いではないです。でもまあ普通にマストフォロー派。

Q57 トランプゲームで遊びますか?
 誘われれば遊びます。

Q58 ワードゲームは好きですか? また、得意ですか?
 好きでも嫌いでも無いですが、「LINQ」はかなり高く買ってます。
 「デクリプト」も(ちょっと「LINQ」に似すぎてる気はしますが)良かったですね。
 ワードゲームであることによって要求されるスキルが一意に決まるわけでは全くないので、それだけでは得意とも不得意とも。

Q59 大喜利ゲームは好きですか?
 このジャンル出来の悪いのがあまりに多くないですかね? それとも今は違う?

Q60 協力ゲームは好きですか?
 ジャンル全体としてはそんな好きではないです。作るの難しいジャンルだと思いますよ。
 個別のタイトルで高く評価しているのは「エスケープ」「スペースアラート」「ザ・ゲーム」など。

Q61 バランスゲームは好きですか?
 割とすき

Q62 紙ペンゲームは好きですか?
 これも何か狙いを持ってゲーム作るのが難しいジャンルじゃないでしょうか。
 個別には「DOODLE CITY」とか高く評価しているゲームはあります。

Q63 ダイスゲームは好きですか?
 これはさすがにちょっと指し示している対象が広すぎませんか。

Q64 ゲームにおける運要素の比率はどれくらいがベストだと思いますか?
 運100のものは別ジャンルなのでプレイや評価の対象と見なしませんが、
 そうでなければゲームにおける狙いとの兼ね合いで個別に決まるものなので、一般論としてどれくらいがベストというのはないです

Q65 アプリ連動型のボードゲームは遊びますか? また、これらをアナログゲームだと言えると思いますか?
 実例としてそれほど遊んだことはないですが、特段避けたり好んだりはしません。
 デジタル表示の秤を使ったゲームを作ったことがありますが、そういうものの一種と考えるべきでしょう。
 「ソビエトキッチン」なんかはアプリを使うことで成立するアナログゲームと言えるんじゃないでしょうか。

Q66 軽ゲー派? 重ゲー派? 中量級?
 中量級。

Q67 2時間以上の重量級ゲームでよく遊びますか?
 わりあい遊びます

Q68 あなたのスマホ/タブレット/PCにはボドゲアプリがインストールされていますか?
 いまはされてません

Q69 有名/定番タイトルなのに、遊んだことがないゲームはありますか?
 いっぱいあります。「スコードリーダー」とかやったこと無いし。
 自分のジャンル(つまりユーロゲーム)に限っても、毎シーズン、結局遊ばなかったゲームが大量に発生します。
 後の設問で出てきますが、赤ポーンのゲームで遊んでないのが10作近くあります

Q70 日本語版を是非出して欲しいと思うゲームはありますか?
 「出して欲しい」と無邪気に言える立場でもないのでパス

Q71 海外ゲームのゲームメーカーによる邦訳の誤訳が気になる/許せない方ですか? また、メーカーのエラッタページはチェックしますか?
 石を投げられる側の立場なのでパス

Q72 海外と日本版でアートワークなどが変わるのは気になる/許せませんか?
 これも同じ理由でパス。つっても翻訳と違ってアートワークまたはそのディレクションに関ったゲームっていくつもないですけど

Q73 同じ内容のゲームでも、アートワークが変わっ(て、それが好みの絵だっ)たら買いますか?
 買って古いのを手放したりします

Q74 リメイク前のゲームを持っていても、リメイクされたらリメイク版も買いますか?
 リメイクの内容次第。

Q75 海外の未翻訳ゲームを自力で翻訳して遊んだことがありますか?
 はい

Q76 レビューや意見、ゲームの考察などで参考にしているボードゲーム関係の個人はいますか?
 参考にしている、程度ならいっぱいいます

Q77 ここで(この)ゲームをやってみたいという場所、ありますか?(実現可能性はおいとく)
 ケイラスで「ケイラス」みたいなべたなやつ。ありますあります。
 「K2」だと実現する遥か手前で確実に死んじゃうのであれですが。

Q78 この人にボードゲームのマンガを描いて欲しいというマンガ家がいますか?
 林正之を現世に呼び戻してください

Q79 ボードゲーム関連の動画を見ますか? お気に入りの動画があったら教えてください。
 テンデイズTVを時折見る程度

Q80 ボドゲのポッドキャストを聞きますか? お気に入りがあれば教えてください。
 テンデイズラジオを時折見る程度。
 ボードゲーム読書会@高田馬場もボードゲームのポッドキャストと強弁できなくもないですが…

Q81 この人とボードゲームを遊んでみたい、この人にボードゲームを遊んで欲しいという人は?(故人、非実在人物、ゲーム業界の人でなくても可)
 シド・サクソン、ジョージ・パーカー(とゲームしてみたくない人なんていないでしょうけど)。

Q82 「おじさんがパッケージのボドゲは面白い」という法則を知っていますか? また、真実だと思いますか?
 知らないです。真実だと思える理由がどこにあるのか

Q83 好きな(これくらいの規模で遊びたい、という)プレイ人数は?
 ゲームによりますが、4-5人くらいかなー

Q84 お泊まりボドゲ会を開催したり、参加したことはありますか?
 あります

Q85 ぶっちゃけ、クニツィアディレンマって言う? 言わない?
 「クニツィアが一時期の作品でよく使っていたゲーム理論周辺的なジレンマ」みたいなことは割と言いますが、
 こういうことを言いたい時は大抵「ゲーム理論周辺的な」に重きを置いているので(だいたい例として「ラストパラダイス」の話をする)、
 一言で「クニツィアディレンマ」と言うことはないです。

Q86 リボーク、ミゼール、ディール、ラフ、ディスカード、全部分かる? 普段から使う?
 全部分かりますが、ミゼールは(あんまりやらないので)使わないです。

Q87 上家、下家、対面、先ヅモ、ベタオリ、全部分かる? 普段から使う?
 先ヅモ以外は使います。

Q88 ゲーム中に交渉要素のないゲームで、口プロレス(はったりを仕掛けたり相手を誘導するような発言)はする方ですか?
 それほどはしない方です。ただし、そのようなことを好まない、という意味ではまったくありません。
 そもそも、本来3人以上で遊ぶゲームにおいて「ゲーム中に交渉要素のない」と簡単に言い切れるものではないはずです。

Q89 同席相手がプレイングに悩んでいる際に、求められていなくてもアドバイスしてしまう方ですか?
 前問のような意味を込めて何か言うことはよくあります。
 そういう意図のない純粋なアドバイスは、相手が悩んでいるときはそれほどしません。するのは相手が何か見落としていそうな時とか。

Q90 ボードゲームを遊ぶ時、ハウスルールを導入したことがありますか?
 あります

Q91 ゲームの拡張は買う方ですか? 買った拡張を入れて遊ぶ頻度はどれくらいですか?
 買わないほう(ただし「エルグランデ」には可能な限り「K&I」を入れます)

Q92 赤ポーン(ドイツゲーム大賞受賞作)のゲームは何作くらい遊んでいますか? あなたにとって赤ポーンは意味があるモノですか?
 いま数えてみたら32/41作。2010年代以降意味を失っています

Q93 ゲームマーケット大賞の受賞作を何作くらい遊んでいますか? あなたにとってゲームマーケット大賞は意味があるモノですか?
 遊んだのが2/4作(あと買ったまま積んであるのが1作)。現時点では意味のあるものではありません。

Q94 どれくらい積みゲーしてますか?
 20か30くらい…だと思いますが…

Q95 仲の良い知り合いに頼まれても絶対やらないレベルのNfMゲームありますか?
 私は「Not for me」という言葉を作品に対する強くネガティブな評価の婉曲表現として使うことはないので、
 言葉通りには「絶対やらないレベルのNfMゲーム」という状況は発生しづらいのですが(敢えて言えばスポーツがこれにあたります)、
 「絶対やらないレベルでネガティブな評価をしているゲーム」ならいっぱいあります。
 
Q96 同じゲームを何度も遊ぶ方?
 どっちかといえば遊ばないほう。

Q97 入手が難しいが欲しいゲームありますか?
 あらかた入手したので、いまはもうそんなにはないです。
 
Q98 長考する方ですか? 他人の長考は気になりますか?
 するほう。気にしないほう。

Q99 ボードゲーム以外の趣味は何ですか?
 りょこうにいったりおいしいものをたべたり

Q100 最後に、あなたにとってのボードゲームは、何ですか?
 趣味のひとつ…で済ませるには最近おおごとになってきてる感じがしますが

# by Taiju_SAWADA | 2019-09-09 01:30 | うわごと

A Gamut of Games / シド・サクソンのゲーム大全に関する宣伝文のようなものその他

今週末12月2~3日に開催されるゲームマーケットで、ニューゲームズオーダー社から、Sid Sackson "A Gamut of Games" の邦訳書「シド・サクソンのゲーム大全」(訳:竹田原裕介)が先行発売されます。一般販売は12月中旬ないし下旬になる予定です。本日はこの本の宣伝にあがりました。なんでこの本の宣伝をしたいのかと申しますと、ちょっとした成り行きにより、わたくし本書の編集というか企画というか、つまり雑用全般に関わっておるのでございます。

原著は1969年に初版が発売された、基本的にはゲームのルール集です。シド・サクソンとゆかいな仲間たちが寄ってたかって作り上げた38作が詰まっております。それだけと言ってしまえばそれだけなんですが、ただそれだけだとサイエンティフィック・アメリカン誌の書評で「ゲームと数学的娯楽、双方の分野の文献における真の画期的事件だ」とまで書かれた理由も(ちなみに書いたのはマーチン・ガードナーです)、米国が誇る国立遊戯博物館 The Strong National Museum of Playの博物館ブログで「(2016年)現在でもなお、学者や重篤なゲームプレイヤーにとってマストハブと見なされている」と記されている理由も分かりません。

38個のゲームの平均的な品質が高い。というのは、まあ間違いないところでしょう。後に1982年1981年(20171205 Typo修正)ドイツ・ゲーム・オブ・ザ・イヤーを獲った「フォーカス」、「Choice」の名で製品化されたダイスゲームのクラシック「ソリティア・ダイス」(例えばクニツィアの「ロストシティ」がこのゲームの影響を受けてないと言ったらどう考えても嘘でしょう)、比類無き多人数パーティゲームとして特に名高い「ハグル」など、いまでも名前が失われていない重要なゲームがいくつも載っています。後世の人間である我々の目から見れば品質の高さも当然と言って良く、何しろ主著者がシド・サクソン、ゆかいな仲間たちというのはアレックス・ランドルフにジェームズ・ダニガンに…、と、つまりここにいるのは商業ホビーゲームというものを成立させた人々そのものなわけですから。

そして商業ホビーゲームというものが確立した後の世界で遊ぶ我々にとって、この本が重要なものである更に大きな理由がそこにあります。この本には、そうしたゲームの世界がどのような雰囲気の中でつくられたのか、その空気が保存されているんです。A Gamut of Gamesはルール集としては独特な構成が取られており、どのルールについても、最初に1~2頁程度、「ポーカーって最近ラミーに押されてあまり流行ってないよね」「結婚旅行でヨーロッパ行ったんだけど、ゲーム屋ばっか巡っててさあ」「モノポリーには実際のところ先行作で《地主ゲーム》というのがあってね」みたいな枕が挟まれています。この枕の記述から、ここに載った重要なゲームが何を源流として作られているのか、当時の世の中でゲームというのはどういうものだったのか、諸々を知ることができるのですが、特筆すべきはゲスト作者を紹介する際のサクソンの文章です。商業ホビーゲームはコミュニティをベースとして成立した文化である、というのは他のいくつかの本の記述からも分かることですが(例えば「Playing at the World」「Eurogames」など)、この人はこういうバックグラウンドを持っている人で、こういう形でゲーム仲間として関わってて、と書くサクソンの記述から、この文化の、とりわけ後にドイツゲーム/ユーロゲームまで繋がった部分を担ったコミュニティの内実がどのようなものであったのかが窺うことができるわけです。
加えて、巻末付録に添えられている「1969年/1982年時点で発売中の主要なゲーム各々に対する、シド・サクソンの一言紹介」は、当時のゲーム出版状況を知る上で、これ単体でもちょっとしたものでしょう。また、1982年版と1992年版の序文(どちらも訳出されています)に書かれた仲間達の消息、そしてその序文を「1982年は私が考えるシリアスなゲームの黄金期が終わりを告げた年だった」と締める彼のビターな筆致から、あらゆるコミュニティとあらゆる文化に訪れるであろう結末を思うこともできるかもしれません。

今回の日本語版は、そのユーロゲームまで繋がる流れの起点である3Mブックシェルフシリーズを意識した、函入ハードカバー装となっています(アイデアはタチキタプリントの西山昭憲、実装と函表イラストはNGO社インハウスのデザイナーである西村優子)。装丁にコストを突っ込み過ぎたせいもあり、お値段が4630円+税と少々張るものになっておりますが、そのぶん手元に置いておきたいだけの官能性を持ったものに仕上がっていますので、ご興味のある方は是非お手にとっていただければと思います。

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ここからは宣伝とは全く関係の無い、ちょっとした成り行きの話を。

わたくしにとっては、この企画のそもそもの始まりは2014年初まで遡ります。当時のわたくしは「パラノイア【トラブルシューターズ】」の翻訳権がほぼ取れるだろうことが内定したというくらいの状況で、毎日会社から帰っては翻訳を進めつつ、ついったなどで「翻訳を進めてる本があって、もうすぐ発表できます」みたいな事を述べたりしておりました。そうすると2月の11日、Boardgamegeek の geekmail に竹田原裕介さんという方からのメールがあり、その中身は「その翻訳を進めてる本というのはSid Sackson "A Gamut of Games"だったりしますか?」という内容のものでした。この時点で既に竹田原さんは全文の翻訳の初稿を個人的に上げていて、「翻訳がバッティングしていたらどうしようか」という趣旨からの問い合わせだったんですね。で、そのときは、いや今こっちで翻訳してるのはRPGなんでバッティングはしてないです、A Gamut of Gamesの翻訳なら俺は読みたいし仮に電子書籍で出すなら5000円くらいの値付けであれば高いとは思わないですよ、くらいのことを返しただけでおしまいだったんですが、そこから1年半くらい経って、そういえばあの話どうなったんだろう、版権交渉が難航してるなら十年留保使って出しちゃってもいいんではないすか、みたいな気持ちでメールを出してみたところ、「図版を色々載せたいので(十年留保は図版には適用されません)やっぱり出版社と交渉しようかと」との返信をいただき、交渉ごとで何か面倒があったらご連絡もらえればサポートしますよー、と返して、これもここでおしまいになりました。

それから数ヶ月。竹田原さんから再びご連絡をいただいたのは2016年の3月末でした。ええと、そのー、何か面倒があったわけですね。子細は省きますが、トラブルということでは全くなく、単純に果てしなく、やってらんないくらい面倒なプロセスがあったんです。それで、(BGGを見ていなかったのでだいぶ返信が遅れてしまったんですが)ああ、これはサポートしたほうがいいですね、差し支えなければこちらで出版する形をとりましょうか、ということで、企画がわたくしの手持ちになったのが6月のこと。ニューゲームズオーダー社に企画持ってったらファンディングしてもらえることになったので、じゃあ版権交渉を片付けましょうか、と先方(Dover社)に連絡をして……連絡をして……連絡をして……

気がつくと町にはトナカイとシュトーレンが溢れていたのです。途中で向こうの担当者が会社辞めたおかげで一時期は完全な連絡不能状態になったり、まあ思い出したくもない様々な形態の待ちぼうけがあったのですが、最終的にはこちらのうざいプッシュの束に折れた向こうが翻訳エージェント(日本ユニエージェンシー)を立ててくれたおかげで話がスムーズにまとまるようになり、ようやく契約に漕ぎ着けました。

何しろ原稿は2014年2月の段階で初稿が上がっているわけですから、そちらのほうは(わたくしとInDesign CCの素晴らしい連携により、修正したはずのレイアウトずれが三倍になって返ってくるなどの諸々の失態を重ねながらも)順調に進み、装丁の方もハードカバー版を出したいという竹田原さんのご希望(原著も今はペーパーバックですが初版はハードカバーだったんです)に沿って愛蔵版のハードカバーと普及版の電子書籍と……みたいなプランで進めていたところ、契約に盛り込まれていたはずの電子書籍出版の権利が諸事情によりキャンセルにされて我々とエージェントの方が一緒にうんざりする事態が発生し、急遽実施されたニウゲームズオーダー井戸端会議、そんならもう仕方ないから凝るだけ凝った装丁の函装上製本一本で行こうぜという結論になり、函入ハードカバーのコストの高さと納期の長さに戦きつつもなんとか昨日11月28日に刷り上がったわけでございます。間に合った!

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最後に。図版はDover版と同様、シド・サクソン自身の手書きをスキャンしたものを用いています。製作側としては、印刷に耐えるクオリティのものにならないかもしれないという心配があり、当初はAdobe Illustratorで描き直す方向で考えていたのですが、やはり上記のようなこの本の特性を鑑みてハンドドローイングを用いるべき、という竹田原さんのご意向を受け、元の版と同じものに戻しました。どれくらいのクオリティで出来てくるものか100%の確信が持てず、刷り上がった本の頁を開くのはちょっとしたスリルでしたが……これならOKだと思います印刷屋さんありがとう! というわけで楽しんでね!

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# by Taiju_SAWADA | 2017-11-29 23:58 | 感想・紹介

たらちねの母、フィードバックの遅れ

【20170916追記:最終の一つ前の段落を追加しました。勢いで書きすぎて説明が全く足りてなかったためです】

《以下で説明するのは、知ってる人にとっては「なんで今更そんな基本的かつトリビアルなことを大事なこと風に書いてるんですか」ということでもあるんですけど。でも「ルールズ・オブ・プレイ」がわざわざ書いていて、しかも書き漏らしている以上、やっぱり大事なことだし書いておかなければいけないんじゃないかな、と。》

とりあえず、まずはお手元の「ルールズ・オブ・プレイ(上巻)」18章「サイバネティックシステムとしてのゲーム」を開いてください。この章のトピックは下記の四つとなっております。

・サイバネティックなフィードバックループ
・正のフィードバック
・負のフィードバック
・動的な難易度調整

サイバネティクスといってもここで触れているのはフィードバックループの話だけなので(最後の「動的な難易度調整」というのもフィードバックの概念を難易度調整に適用する話なので、結局同じ事です)、別にサイバネティクスじゃなくて制御工学でも全然構わないんですが(※)、それはそれとして。

負のフィードバック(ループ)というのは、同書の例をそのまま使うと、センサーで部屋の温度を拾って、設定温度と比較して、その差が無くなるような形で温風ないし冷風を吹く、で部屋の温度が変わるので、またその変わった温度をセンサーで拾って、というもので、これを繰り返していくと、基本的には、部屋の温度と設定された温度に差が無くなり、その状態が保たれるようになります。差を減らすようにするので「負の(ネガティブ)」と呼びます。逆に「正の(ポジティブ)」フィードバックだと、設定温度との差が広がるように温風なり冷風が出てくることになります(このへんでエアコンのたとえに無理がでてくる)。

ルールズ・オブ・プレイでは、プレイヤー間の差を埋めるような形でネガティブフィードバックを使い、ゲームを収束させるためにポジティブフィードバックを使う、あとは難易度調整のために色々と、くらいの話をして終わってしまうので、うんまあそれはそうよね、以上の感想を抱きづらいと思います。ですが、ここでは書いていない重要なことが一点ありまして。フィードバックループの話をするときは、必ず「遅延」の話をセットでしないといけないんです。

遅延、または遅れの話は制御工学の教科書には必ずみっちり書いてあるので、詳細はそっちを読んでもらうとして、この話の文脈で必要なぶんだけ書くとですね、まず部屋の温度が下がったのをセンサーが感知するのも一瞬とは言えず(やっぱり例に無理が…)、さらに冷風を吹いてもすぐにびたっと適温まで下がるわけじゃなくて(そうだったらループなんていらないですよね)、まあ時間がかるわけです。さらにセンサーがぽんこつだったりすると(諦めて恣意的な状況設定に変えました)、ちゃんと冷えてきたことを認識するまでに時間がかかって、おらーまだ冷えてねえぞーってんでがしがし冷風を吹き込みまくって、気がついたらなんかめっちゃ部屋寒くて、あ、やばい、温風温風、みたいな。なんかこの部屋温度が上がったり下がったりで中々ちょうど快適な温度にならないんですけど。と。もっと言うと、今は部屋の温度がエアコン以外では変わらない、という前提でしたが、実際のところは外の天気の都合で部屋の温度も当然変わりますから、夕立降ってきたんで外気温が下がってるのに冷風回ったままだから冷え過ぎちゃって、ということも当然ございます。

さて、ここまではエアコンの話でしたが、わたくしは別段いまダイキンなりキヤリアなりを称えたいわけではなくて、ゲームの話、それもマルチプレイヤーズゲームの話をしたいのです。リチャード・ガーフィールドet al.が「Characteristics of Games」でdisを加えておりますとおり、マルチゲームにはある種の本質として、トップ叩きによってみんなが横一線に並んで最後にたまたまぴょんと鼻だけ飛び出した奴が勝つ、みんな同じじゃないか、という話があります。このマルチゲームにおけるトップ叩きというのはもちろんネガティブフィードバック機構です。同書では各マルチゲームのオリジナリティについて、このトップ叩き性をどれくらいまでブレンドし、どれくらい技術の巧拙が強く出るようにするのか、という方向に話が進み、というかあまりマルチゲームに興味を持ってない感じがするんですが、マルチゲーム愛好者としては、技術の巧拙はマルチゲーム性=ネガティブフィードバック性の中には存在せず別の所から足し込んでいかないといけないんだ、という論調には賛同しません。マルチゲームにおけるプレイヤーの技量は、ネガティブフィードバック性の中にこそ存在するべきであって、また、実際にも存在します。つまり、遅れを前提とした制御の巧拙です。

各時点でトップの位置にいるプレイヤーは他プレイヤーとの差を増大させる方向でゲーム状態に働きかけるのに対して、他の全員が、その時点でのトップとの差を縮小させる方向に働きかけます。マルチゲームの定義上、力の数は1 vs N(N≧2)ですから、ゲームシステムの作りによる部分も当然あるとはいえ、基本的な構造としては、ゲーム全体としては、トップとそれ以外との差を縮小させる方向にコントロールが働くことになります。これがマルチゲームにおけるネガティブフィードバックの基本です。しかし当然ここにはセンサーの問題と冷風機の性能の問題が存在します。たとえば勝利点を稼ぐゲームにおいて、本来モニターしたい指標は「ゲーム終了時点における勝利点」ではあるものの、これは言うまでも無くゲーム中に観察できる指標ではない以上、センサーたる各プレイヤーは何らかの代替指標を使わざるを得ないわけですが、この場合に何が相応しいかというのは、これは各プレイヤーの解釈に委ねられ、しかも動的です。加えて、各プレイヤーに対して、ゲームシステムの側からは、その指標に直接働きかけることのできる冷風機は用意されていません。プレイヤー達は初期状態では怪しげなセンサーと怪しげな冷風機しか持っておらず、これは容易に発散してどうしようもなってしまうわけですが、それでもプレイヤー達はセンサーと冷風機をなんとか改善し、部屋の温度は千鳥足気味ながら設定温度にふらふら近づいていきます。

結局のところマルチプレイヤーズゲームにおいても、ゲームプレイというのはパズルプレイがそうであるのと本質的に同じ意味においてゲームを解く課程なので、それがまともなゲームである限りにおいて、確かに部屋の温度は設定温度に近づいてはいきます。しかし、これは逆に言うと、ネガティブフィードバックがきちんとかかった、部屋の温度が設定温度に張り付いた状態というのは、あくまでもそのゲームがジグソーパズルや○×ゲームのように「解かれた」最終形でしかない、ということです。解かれていない、つまり遊べる状態にある各マルチゲームにはそれぞれ固有の部屋とセンサと冷風機と外気があり、従って固有の遅延の構造を持ちます。それぞれはシステムそのもの、あるいはシステムを解釈した各プレイヤーの思惑によって設置されるものであり、つまりゲームデザイナーにとってはデザインの対象になります。そしてプレイヤーにとっては、これらはもちろん操作の対象であり、つまりは攻略の対象、そして鑑賞の対象になるわけです。


※この話がルールズ・オブ・プレイにおいて「制御工学の対象としてのゲーム」ではなく「サイバネティックシステムとしてのゲーム」と書かれているのは(おそらく)理由があります。制御工学は工学であり、あくまでも厳密に、巻き尺と秤で量った数字を微分方程式で処せるものだけを対象としているんですが、サイバネティクスや、サイバネティクスと密接な関係にあるシステム思考/システム理論の領域はそうでもなくて、上でやったように、定量的な世界のものを「系(システム)ってくくりで見れば一緒だろ」というので、会社組織とかゲームシステムとかにも平然と定性的に適用しちゃったりします。というかシステム思考というのは色んな学問分野からシステムに関する諸問題を括りだした学際領域なので必然とそうなります。あんまり無定見に濫用すると怪しげなコンサル喋りみたいになってソーカル&ブリグモンが警笛を持って寄ってきますが(ちなみに怪しげコンサルタントのバイブルとして知られる「ライト、ついてますか」と「コンサルタントの秘密」の著者ジェラルド・ワインバーグはシステム思考の代表的な教科書「一般システム思考入門」の著者でもあります)、適用可能な範囲を意識して運用する限りにおいては充分に有用だとわたくしは考えております。
# by Taiju_SAWADA | 2017-09-14 23:52 | うわごと