とりあえず俺内評価をまとめてみると、メルカトルやってねえじゃんとかツァバンドールも遊ばずじまいだったとか何でマイナーメーカーしか手つけてないのとか色々切ないことが判明するので皆もやってみて切なくなるといいです。評点はStandard & Poorsのフォーマットを借りてきました。このフォーマットが解りやすくて一番好きなのです。BB格以下は購入不適格、Aランクは購入したものを売ったり捨てたりせずに手元に残しておいてもいいかなってレベル。CCC格以下は俗に言うところのくそげー認定です。
AAA : AA+ : AA : Navegador AA- : A+ : A : Grand Cru A- : Olympus, Travel Blog, Triumvirate BBB+: Furstenfeld, 1655, Wampum, Magnum Sal BBB : 7Wonders, Antics!, Offrandes BBB-: Troyes, 20th Century ---- BB+ : Vinhos BB : BB- : B+ : Key West B : Fabula B- : CCC+: Stich-Meister CCC : CCC-: CC : Discover India C : D : 10-11シーズンは「Navegadorの年」という一言で片づけられそうな気がしてならないのですが、それでもGrand Cruの「経済ゲームとは一言で言えばこういうことなのです」という思想・主張に裏付けられた借金トラックのアイデアは大変すばらしいと思います。ゲームバランス若干狂ってねえか、という気はしないでもないですが、わたくしは完成度とアイデアを天秤にかけたら迷い無くアイデアを取るタイプのプレイヤーなので、そこは割とどうでもいい感じで。 OlympusとVinhosはどっちも「既存のフレームに過剰詰め込み」という意味では同じことをやってるゲームです。Olympusはゼロ年代ドイツ流儀の典型とも言えるワーカープレースメントの枠にアメゲー的な特殊カードを、それも全員が同じ数十枚の「手札」を持ってゲームスタートという強烈なあほルールと共にぶちこむカウボーイスタイル(←偏見)。Vinhosは拡大再生産ゲームの各パーツをそれぞれ虫眼鏡で拡大していって、でもあくまで一つ一つはドイツルールで仕上げるという形。どっちがいいですかって話になると、それこそ「好みじゃん!」って結論にしかならんような感もあるんですが、でもOlympusのが圧倒的に好き...というかVinhosの手法が病的に見えるのですよ。何がってボードが。ボードを埋め尽くすトラックとトラックとトラック。全て把握しないことには触れることまかりならぬと言わんばかりの。実際ドイツ系のルールって細かいルールまで含めて全員が全部把握してることを前提として回っているというのはあって、このゲームも恐ろしいことにその例外ではない。そこ行くとOlympusは良くも悪くもカウボーイスタイルですから、まあカードの中身を把握してるとかしてないとか面倒なこと言わんでもとりあえず遊べばいいじゃん、やりたい奴だけ極悪カードぶん回して無双すりゃいいじゃん、という大らかさがあって(いやルール自体はシビアですけどね)、どっちがっていうのは本来はニュートラルなんだろうけど現状2010-11シーズンの袋小路in独逸な概況を背景として考えると、どうしたってOlympusのほうを取りたくなるわけです。 Travel Blogはいまのところ最優秀FAUNAフォロワー。フバさんこんな芸もできるんすか。 -----------以下さえずりまとめ Vinhosを2人でお試しプレー。普通に面白いとは思うよ、でもねえ、ここまで長いルール書かないと普通に面白いゲームって作れないのか?ボードなんか大量のトラックで溢れてて神経症の絵にしか見えない。「普通に面白い」じゃ読解1時間+インスト1時間で冷えきった俺の気分は高揚しないのよ Offrandes. 序盤ぼんやりプレーしてたら何かものすごい大虐殺(最終結果で4倍スコア)が発生してしまった。ううむ申し訳ない。ちょっと不穏なだけのごくシンプルなルールセットだと油断したのが間違いで、実際にはワンミス即死のおっかないゲームでした。フランス人油断ならん Navegador. ゲルツはぼくらを裏切らない。そして歴史軸的な評価を抜きで言えば今作がベストかもしれない。あと今回遂に独逸ゲームとしての一般性のようなものを手に入れたといえる、かもしれない。ルール短いし。 ビール侯爵。さすがにフリーゼ、それも自分とこのブランドの仕事ともなると、俺ドミニオンを作るにあたってドミニオンのシステムを適当につまんでくるような阿呆な真似はせず、きちんと「俺にとってのドミニオン解釈」を提示している。すごーく好きなゲームって程じゃないが、その意味で立派な仕事。 Wampum。ホイップの人の新作。作れる人だって事は解ったが、商道徳的にどうだろう。契約書にはテクニカル過ぎずルールはシンプルでちょっとした目新しさがあればなお良しって書いてありましたよね、とニヤつく作者が。多分尻尾生えてる。ボール一個分だけ外す絶妙な珍妙感。個人的には好きだが ところでトリックマイスターって普通に詰まらないんですが皆様如何お過ごしでしょうか。久しぶりにフリーゼで留保抜きのハズレ引いた。口直しにゲームリンク付録のフォッペンを3回遊んですっぱり忘れると吉みたいな 7Wonders. あざとい誤魔化しが少々不誠実ラインを踏み越えて鼻につく嫌いはあるが、そこまで計算しての快楽最優先設計。SdJなら納得の受賞って感じ。ただDSPだとか、あるいは既に出てるFairplayアンケ1位とかって事になると、おまいら騙されすぎじゃないですかとも思う magnum sal は嫌な流行に乗ったゲームに見せかけて全然違う・しかしこれはこれでオーソドックスな仕掛けで駆動する、ちょっとした試み(あるいは悪巧みといってもいいかもしれない)のある、2010年ならではのノーマルを追求した面白いゲームだった。やっぱり今年はポーランドなのか? indie boards and cards の Triumvirateは割とすきー。少し待てばほとんど全部見えるんだけどそこまで待ってると微妙に間に合わない感じとか。 マーティン・シュレーゲルの"Key West"、最良の意味での90年代的アイデアと最悪の意味での90年代的粗野とどうでもいい意味での00年代的手癖をごたまぜにして腐ったUIと一緒に 1hでまとめたゲームだった。編集者しっかりしろよと思うが、ここから悪い所を削ると全てが一緒に消えそう Fabulaはエッセンでルール読解が生煮えのままプレーしたですが、これはボードゲームではなくRPGです。Once Upon a Time的なゲームですらない。Hogsheadが出してた「ほらふき男爵」「Violence!」と同じシリーズで並べるとすごくフィットしそう。 ところでTGWでFabulaが「自分の物語を語り始めやすい」とあるけど、これには異論がある。この手のストーリーテリング〜簡易RPGの中ではかなり難しい部類に属するゲームよこれ。何が厳しいって自分の出した回答の【善し悪し】を評価されるところ。直球すぎ。他のゲームは大抵も少し慎ましい ### Once Upon a Time 遊んでるほうがみんな幸せだと思うですよ。このゲームは下手すると誰かを傷つける。 グランクリュ(エガート)今のところSpiel10ゲーマー向けでは一番のお気に入り(まだ5作しか遊んでないけど)。何てこと無い経済ゲームとも言えるんだが、ルールにある「経済ゲームとはつまり時間と資本の関係性に関するゲームである」というきっぱりとした主張が大変正しく心地よい。 1655(DDD)この種の、いろんな方向から得点源が絡んでしっちゃかめっちゃか、というゲームの中では纏め方がかなり巧い。日本のゲーム制作者、具体的にはカナイさんとキサラギさんは是非入手して遊んで頂きたい。絶対気に入るはず(もしかすると得られる所も何かあるかもしれない)。 20世紀(Suchy/CGE) ハルメンズではない(ヒカシューでもない)。前作シップヤードのロマン爆発から一転、編集者の意向かそっち方向はぐっと抑えて堅く遊びやすく作った発展ゲーム。それでもタイル連結は(意味もなく)残したあたりが作者の趣味。普通に面白く嫌味なく遊べる、とは思う。 でもなー、シャムの王→フィリピーノ・フルーツ・マーケット、とインディでキレキレの作品を立て続けにリリースしたジルベスターの、満を持してのメジャーデビュー作品が、アレ(※)なんだよねえ... (※「ディスカバー・インディア」クイーン・ゲームズ) ### きわめて遺憾ながらくそげーと言わざるを得ない。 トロワ(Pearl) 少なくとも、ダイス(で高い目を振る事)という大テーマに正面から取り組んだ点は最大限高く買いたい。結果このパッケージングでまとめざるを得なかったのはこのゲームというよか現状の独逸フレームの限界だろう。現にその限りでは面白いのだし。ま「Nice try!」て事で PearlのTroyesについて高く評価したらブーイングを受けたですが、実際このルールセットは2010年とゆう現在を考える上で間違いなく義務鑑賞と言ってよいものだと思うのですよ。そりゃまあ完全犯罪とも言えるかも知れないが、ここにはポジティブな意味でデザイン上学ぶべき点が確実にある (3/3誤記修正。ナヴェガドールのスペルまちがえてました。わたくしにはよくあることなので気にしないで頂けると幸い。こんだけアルファベット書いたの久しぶりなのでまだあるんじゃないかと思いつつチェックはしない)
by Taiju_SAWADA
| 2011-03-03 23:54
| うわごと
|
カテゴリ
このサイトの内容のうち、わたくしに著作権が帰属する部分については、明示されていない限り、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス【CC BY-ND 4.0】が適用されるものとします。
※トラックバック送信元記事にこのweblogへのリンクが存在しない場合はトラックバックを受け付けません。ただし、エキサイトブログ同士のトラックバックには適用されません。 以前の記事
2022年 11月 2021年 11月 2021年 10月 2020年 10月 2020年 07月 2020年 04月 2019年 09月 2017年 11月 2017年 09月 2017年 08月 2016年 12月 2016年 09月 2016年 04月 2016年 03月 2015年 12月 2015年 09月 2015年 08月 2014年 04月 2013年 11月 2013年 05月 2013年 03月 2013年 02月 2012年 12月 2012年 10月 2012年 08月 2012年 06月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 08月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 08月 2010年 06月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 08月 2009年 06月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 09月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 09月 2007年 03月 2007年 02月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 2005年 09月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 06月 2005年 05月 2005年 04月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 2004年 09月 2004年 08月 2004年 07月 2004年 06月 その他のジャンル
|
ファン申請 |
||