人気ブログランキング | 話題のタグを見る

考古学ゲーム

世の中には考古学なるものがあるようです。良く知らないのですが、何か古いものについて調べたり見つけたりして研究する学問らしいです。

それ自体は別にどうでもいいんですが、考古学の人々は生業の一環として、ときおり古いゲーム道具を発見してくることがあります。エジプトの土の中から5000年前のエジプトゲームのボードらしきものがでてきました。とか。

いや、掘り出してくるとこまでなら何も引っかかるところはないのですが、考古学の人はですね、時と場合によっては、その5000年前のエジプトゲーのルールを推測して、「当時の人々はこのように遊んでいたものと思われる」と宣言してしまったりするわけです。

ここで書籍とかをこちらの側には、いいのか? という疑問のようなものが沸いてきます。何を根拠に、という。だって出てきたものってボードと、せいぜいがダイス、運がよければゲームをしている人を描写した絵、というくらいのものでしょう? ルールブック出土してないよね。出土してたら推測とかする必要もないし。コンポーネントの一部を見ただけでルールを推測できるものなんだろうか。

たとえば「まあ大体マンカラみたいなゲーム」とか「まあ大体バックギャモンっぽいんだけどあそこまで洗練されてない感じで」みたいにして片付けられたゲームがあったとして、それを遊んでいた人は「バックギャモンっぽいけどあそこまで洗練されてない感じの」ゲームに熱中して王様に禁止令を食らった哀れな市民、として描かれることになります。しかし彼らが熱中していたものは本当に洗練されていないバックギャモンなのか。実はちょっとした・しかし極めて重要なルールがそのゲームには付与されており、その付与されたルールのために全貌としてはとても洗練されていないバックギャモンという言葉では片付けられないような素晴らしいものになっていたのではないか。それはもう国中の市民が嵌って王様に怒られるくらいに。それほどのゲームに対して洗練されていないバックギャモンなどという言葉を投げかけるのは彼らプレイヤー・そしてゲームデザイナーに対する冒涜なのではないのか。

そして冒涜というのはいつでも楽しいものなので。同じようなことをやってみたいなー、という発想に至ります。

できれば一切の前情報を遮断した状態で向き合っていただきたいので、審判を一人用意すべきでしょう。審判は可能な限りマイナーな、あるいは古くて忘れ去られている、そしてテキストを多用しない(ゼロ使用が望ましい)ゲームを用意して、プレイヤーを呼んできます。プレイヤーにはそのゲームに関する何やかやの情報を知らせないまま、説明書・サマリー類を除いたコンポーネントだけを手渡します(パッケージのイラストを見せてよいかどうかでゲームの難易度と言うか方向性が変わりますが、このへんはお好みで)。そしてプレイヤーは手渡されたコンポーネントから、ゲームのルールを再現する。

別に勝ち負けがどうこうということにはならないと思いますので、評価パートは適当でいいでしょう。実際に遊んでみて近さとか面白さで決めるか、あるいはルールのそれっぽさを批評しあうとか。今度試しにやってみようかと考えています。
by Taiju_SAWADA | 2005-06-06 00:13 | うわごと
<< ルール和訳の網を(そのうち)閉めます 欧州ゲーム屋紀行 フランクフルト編 >>